Research Project
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
本研究は筆者等が開発した無歪入力形3倍周波数逓倍器の大容量化に際して生じる諸問題を検討し、設計理論を確立することによりその実用化を計ることを目的にしている。したがって前年度に試作した中容量器(10KVA)の特性を詳細に調べ、容量の増大に伴って生じた特性の変化からその設計理論の妥当性と大容量化の可能性を検討した。さらに本年度も引き続いて他の中容量器(30KVA)の試作を予定していたが、前年度の試作1号器を重複する面もあり、また本研究の過程において本研究に用いた3脚鉄心形逓倍器の接続を変えるだけで簡単に三相-二相変換用3倍周波数逓倍器になることが明らかになった為、予定を変更して中容量の新規な三相-二相変換用逓倍器(20KVA)を試作し、本研究の効率化を計った。以上の研究成果を次に列記する。(A)無歪入力形3倍周波数逓倍器(三相-単相変換用)1. 先に試作した小容量器(800VA)と本研究による中容量器(10KVA)の特性を比較検討した結果、基準化した電圧-電流特性はほとんど変わらないが、容量の増加に伴いやゝ損失が増し、入力電流の歪率が大きくなった。これは中容量器の線形リアクトルを小さくした為、飽和リアクトル脚の磁束密度が高くなった事と、その構造上、漂遊負荷損が増加したためと考えられる。2. 両試作器の特性を比較した結果、容量増加による特性の変化はなく、設計法の妥当性と大容量化の可能性が明らかになった。(B)三相-二相変換用3倍周波数逓倍器本研究の過程においてその応用例として試作した三相-二相変換用逓倍器は、二相出力に対して三相入力電流が平衡する特長があり、中容量の交流電動機の高速駆動用電源に適していることが明らかになった。
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