神経外胚葉性腫瘍のメラニン前駆体による選択的修飾とその作用機序
Project/Area Number |
60010031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日 孟 東京医科歯科大学, 医, 教授 (40114748)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥9,400,000 (Direct Cost: ¥9,400,000)
Fiscal Year 1985: ¥9,400,000 (Direct Cost: ¥9,400,000)
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Keywords | メラニン前駆体 / 4SCP / 4SHCAP / 黒色腫 / 神茎芽細胞腫 / tRNA / X線併用療法 / in vitro / in vivo |
Research Abstract |
目的: Melanin前駆体を化学的に合成し、これをguided missleとして、黒色腫及び神経芽細胞腫の化学的治療法の開発を行なうことを目的とする。 結果: Dopaのtyrosinaseの酸化によりSH基およびproteinの中のcysteine残基を介してprotein結合型のcysteinyldopaを生成することを初めて、伊藤班員は明らかにした。研究は4-S-Cysteinylphenol(4-S-CP)および関連化合物、併せて16種類が作製され(伊藤)、in vitro系黒色腫細胞、神経芽細胞腫細胞、およびin vivo系黒色腫、正常マウスの皮膚メラノサイトへの効果が検討された。この関連物質の内、致死効果のあるものは、in vitro系では、4-S-Cysteinylcatechol(-CC),2-S-Cysteinylhydroqinone(-CHO),4-S-Homocysteamyl phenol(-HCAP)であり、これらの作用機序は黒色腫細胞のtRNAのアミノ酸受容能を障害する(石川)。化学的に安定である4-S-HCAPは時間依存性 (1mg/ml)を示し、また、monoamine oxide(MAO)保有量に依存して、神経芽細胞腫および黒色腫に顕著な致死効果を示した(春日)。延命率で検討されたin vivo系黒色腫への効果はDTICとの比較において、2-S-HomoCP,次いで、4-S-HCAPが有効であった(神保)。本薬剤とX線との併用効果の実験では、4-S-CAPが極めて有用な致死効果をHMV-I細胞に示した(春日)。前駆体とmelanogenesisとの親和性の検討をESRを用い、そのg因子より(三宅)、また、超音波吸収値より(河野)、4-S-HCAPが制癌剤として有効である事が示された。 考察: 以上の結果から、極めて化学的に安定な、且つ、毒性の乏しい4-S-HCAPは長期投与が可能であり、in vivo系黒色腫への有効な効果が期待できるようになった。また4-S-CAPとX線との併用実験結果は、今後のin vivo系黒色腫の研究に展望が開かれた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)