T-細胞リンパ腫・白血病の発症機序に関する実験的研究
Project/Area Number |
60010054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横路 謙次郎 広島大学, 原爆放医研, 教授 (70034618)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥16,900,000)
Fiscal Year 1985: ¥16,900,000 (Direct Cost: ¥16,900,000)
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Keywords | 実験的T細胞リンパ腫 / 白血病 / 白血病発生の遺伝的解析 / 前白血病細胞と胸腺微小環境 / 白血病細胞におけるv-onc及びc-oncの発現 |
Research Abstract |
本班はT細胞白血病の発生機序の解明を目的として発足した。これまでの研究により胸腺間質細胞株を用いる胸腺複合体形成機構が解明されたが、これは胸腺リンパ腫の発生・進展機構の解明に有用である。本年は更に一部の胸腺間質細胞と特異的に反応するモノクローナル抗体(mB6TS-1)の使用により、リンパ腫発生に伴い胸腺の枠組の改築が起ることが示唆された。この変化は自然発生のみならず、放射線・化学発癌剤によるリンパ腫でも認められることが判明した。過年度においてF-344ラットにPNU投与により起る胸腺リンパ腫は単一優性遺伝子Tls-1支配であることを示したが、更に本年度の実験によりTls-1は標的組織へ作用するのではなくて他の宿主要因に作用するが、リンパ腫は胸腺内で初発し、胸腺という微小環境を必要とすることなどが明かにされた。ラット白血病発生に関連してc-ablの染色体上での局在をinsitu分子雑種法で3g12に検出した。またラット白血病株K30において染色体転座大(3:12)とともにc-ablの発現増加を認めたが、更にmycとH-rasが常に発現していることも明かにした。ラット白血病細胞の分化増殖能喪失に伴ってmyc mRNAが著しく減少することが示されたが、N-rasは変化せず、またfos,H-ras mRNAは検出されなかった。 congenicマウスを用いての放射線白血病の誘発機構に関する研究は更に進行しているが、現在、前白血病細胞の特性を明かにするために種々のリンパ球に対するモノクローナル抗体やレクチンを使用し、また自動細胞分離分析装置を用いて検討している。放射線、化学発癌剤誘発白血病発生に関連して内在性ウイルスゲノムの増幅や再配列、あるいは癌遺伝子発現の変化などを多数の症例について検索したが、現在までのところ、特異的な所見は得られておらず、この点に関しては更に本班研究者による共同研究が要請される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)