Project/Area Number |
60010067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 信義 慶応義塾大学, 医, 教授 (50162706)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
Fiscal Year 1985: ¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
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Keywords | 細胞増殖因子 / TGF / EGF / IGF / FGF / トランスホーメーション / レセプター / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
細胞の代謝、増殖や分化の生理的過程は、ポリペプチド性増殖因子によってもたらされるシグナルで調節されている。一方、癌細胞の自己増殖をもたらす因子、TGFも見出されている。本研究班は、多様な増殖因子に関して生化学的性状、生物学的作用の分子機構を追究することによって、細胞のトランスホーメーションと癌細胞の異常増殖の関連を解明しようとしている。本年度において、清水はEGFのエンドサイト-シス過程で見出された新しいオルガネラ、マイトソームを部分精製し、その生化学的性状を解析して特徴的な蛋白成分から構成されていることを示した。梅田は癌患者尿中にTGF-β様の活性を認めただけでなく、新しい増殖阻害因子の存在も見出した。平井はTGF-γ2の生合成過程を解析し、癌細胞では細胞内プロセッシングの受け方が異なることを明らかにした。西川はローダミン肉腫由来のDSFの性状解析を進め、EGFとレセプターの相互作用の解析に必要な数種の抗EGFモノクローナル抗体を作製した。春日はIGF-Iレセプターのリン酸化と細胞骨格蛋白の関与を明らかにした。矢追は、トリ胚細胞表面から遊離される糖ペプチドがインスリンやIGF-Iに結合し、細胞増殖を抑制することを見出した。伊藤はEGF作用に関して、細胞膜のラッフリングが【Li^+】イオンによる蛋白脱リン酸化で制御されていることを見出した。瀬川は、ポリオーマウイルスT抗原のリン酸化とオンコジンH-rasの発現を検討した。桑野はEGFのエンドサイトーシス変異株とTGF-βによる増殖調節の関連を解析した。河野はEGFやFGFで誘導される42Kのリン酸化蛋白を見出し、そのシグナル伝達との関連を追究した。このように2年次の目標はそれぞれ達成でき、3年次での総合的な発展が期待できる。
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