Project/Area Number |
60010091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
下里 幸雄 国立がんセンター, その他, 研究員 (10076979)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥9,500,000 (Direct Cost: ¥9,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥9,500,000 (Direct Cost: ¥9,500,000)
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Keywords | ヒトの肺 / 腺癌 / 発癌因子 / 組織発生 / 細胞亜型 / マーカー / 粘液組織化学 / 癌関連抗原 |
Research Abstract |
大阪地区と肺癌罹患率の極めて高い英国マンチェスターとの比較では、腺癌の罹患率に関する限り両地区間に殆ど差がないことが明らかにされた。喫煙と最も深い関連をもつ扁平上皮癌の羅患率が減少しつつある英国でも、日本と同様に腺癌の罹患率が上昇しつつあることは、癌発生の要因を探る上で重要な所見と考える。 器官培養下でのBenz-a-pyreneに対する反応性をヒト気管支上皮細胞と細気管支上皮細胞で比較すると、1ヶ月後に前者は扁平上皮化生を示すが、後者ではこれがみられず、顆粒を欠く未分化なクララ細胞と考えられる細胞の出現が観察された。気管支と細気管支で同じ発癌剤に対する反応が異なることは興味深く、後者は腺癌発生に係わる所見とも考えられる。 各種気道上皮細胞やそれらへの分化を示す腺癌細胞と特異的に反応するモノクローナル抗体は未だ得られていないが、現在までにTn抗原Y hapten,X haptenや未知の膜抗原を認識するマウス・モノクローナル抗体と、i抗原を認識するヒト・モノクローナル抗体が得られた。Tn抗原を認識する抗体はパラフィン切片上で腺癌と高率に反応する。これらの抗体の組合せによって非小細胞癌と小細胞癌の鑑別が可能となった。一方、Maclura pomifera agglutininがクララ細胞と【II】型肺胞上皮細胞のsurface coatと強い親和性を有することが示された。この両者は血液型糖鎖の発現の有無で鑑別できるが、腺癌亜型分類に応用可能か否かについては検討中である。surfactant apoproteinに対する抗体と各種腺癌との反応性を調べると、【II】型肺胞上皮型ではないと診断された腺癌のあるものが陽性所見を示し、形態的な細胞亜型分類に機能をも考遠する必要性が示された。異型腺腫様増殖巣・腺腫・高分化腺癌の鑑別は未だに主観的で、適切な客観的手段を持たないが、上記複数の抗体の組合せで可能となるかも知れない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)