Project/Area Number |
60015014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紀夫 東京大学, 医, 助教授 (10010050)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | がんの転移 / 転移の予防と治療 / 腫瘍細胞の遊出 / エルトリエイター / 遠心分流 / 腫瘍細胞の遊出率 |
Research Abstract |
転移の予防治療においては腫瘍細胞の遊出、着床、増殖の全ての過程を考慮すべきであるが、転移巣の治療では広範囲の正常組織が含まれることが多く、必要十分な放射線または薬剤の投与ができないことが多い。本研究では転移の始まりである腫瘍細胞の遊出過程に、焦点を絞り、転移の予防及び早期治療の研究を行った。腫瘍細胞遊出過程のA)転移全過程の中での重要度、B)転移の予防または早期治療の標的としての有用性、を決定することを目的として、C3H/HeJマウスおよびNFSA2ALM1繊維肉腫(自然発生由来でSyngeneic)を使い、コロニー形成能のある腫瘍細胞の血中への遊出率を測定解析した。腫瘍はマウスの下肢に移植し、当研究者が在米中に開発したCTC.R Assay(Clonogenic Tumor Cell Release Assay,N.Suzuki,Cancer Res.43.5451,1983)を使った。 1)腫瘍移植後、8-9日目より遊出率は急上昇するが2週間目くらいよりプラトーに達した。2)局所腫瘍に放射線(例えば10Gy)または、温熱処理(43-45℃,30分)すると処理の程度に応じて遊出率は減少した。3)遊出率の減少に相応して最終的な肺転移頻度も減少することが確認された。 結論として、1)このシステムでは、コロニー形成能のある腫瘍細胞の遊出過程は、転移の全過程の中で重要なステップである。その普遍性は、今後いろいろな腫瘍系を使って検査することが必要である。2)放射線や温熱処理によりコロニー形成能のある腫瘍細胞の遊出率を低下させることができ、それが最終的に転移頻度の抑制につながることが分かった。従って、放射線や薬剤等を使い、コロニー形成能のある腫瘍細胞の遊出過程を抑制する、より良い方法を開発すれば、転移の予防、または、早期治療に役立つ可能性が高い。
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