共同的に働く癌遺伝子の解析と新しいヒト癌遺伝子の検索
Project/Area Number |
60015021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
余郷 嘉明 東京大学, 医科研 (60092376)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | BKウイルス / アデノウイルス / トランスフォーメーション / N2H3T3細胞 / 癌遺伝子 / T抗原 / E1A / myc |
Research Abstract |
1.ヒト胎児線維芽細胞にBKウイルスの変異株pm-522を感染させたところ、トランスフォーム細胞(pmHEF)が得られた。抗血清処理によりBKウイルスを完全に除去したpmHEF細胞からDNAを抽出してマウスNIH373細胞に導入したところ、フォーカスが出現した。フォーカス由来細胞はT抗原陰性だった。 2.ヒト胃癌から分離したc-myc遺伝子(RSVのLTRを結合)は単独でラット3Y1細胞をトランスフォームできた。これらトランスフォーム細胞はmyc特異的RNAを非常に多く合成し、軟寒天中でのコロニー形成能があり、ラット新生児に移植すると腫瘍を形成した。また多量のp53蛋白が検出され、p53もトランスフォーメーションに関与していることが示唆された。 3.アデノウイルスE1A遺伝子にコードされる2種の蛋白のどちらが細胞DNA合成誘導能を持つかを調べるため、MMTV・LTRの下流に13ScDNAまたは12ScDNAをつないだプラスミドを細胞に導入した。デキサメサゾン投与によりいずれの細胞もDNA合成が誘導されたのでどちらの蛋白も単独でDNA合成誘導能を持つことがわかった。 4.アデノウイルスE1A,E1Bまたは両者を同時にNIH3T3細胞に導入したがトランスフォーメーションは起らなかった。全ての細胞で導入したDNAの存在は確認できた。RNAはE1A導入細胞では多量検出されたが、E1B導入細胞では少量しか検出できなかった。以上よりこの細胞ではE1Bの発現が悪いためトランスフォーメーションが起らなかったと考えられる。 5.肝癌から癌遺伝子を検出するため、癌細胞DNAを導入したNIH3T3細胞をヌードマウスに移植する方法を試みた。その結果2例の肝癌について腫瘍が形成され、癌遺伝子を検出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)