Project/Area Number |
60015030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木全 弘治 名古屋大学, 理, 助手 (10022641)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | マウス乳がん細胞 / 転移 / ヒアルロン酸 / コア蛋白質 / ヒアルロン酸合成 / 細胞表面複合糖質 |
Research Abstract |
われわれは、マウス乳がん細胞FM3Aから分離した肺への転移能の異なる細胞variantsの細胞表面成分を比較分析した所、転移能とヒアルロン酸合成能との密接な関係を見い出した。本研究は、この結果をもとに、高転移能variantsの高ヒアルロン酸合成活性を人為的に低下させ転移の抑制が可能かを問うこと、その為にまずヒアルロン酸の生合成速度を制御している細胞内因子の徹底した解析を目標にした。 ヒアルロン酸合成亢進の一因として、合成開始因子としてのヒアルロン酸"コア蛋白質"の合成増加が考えられる。われわれは、マウス真皮繊維芽細胞の培養系にcyclic AMPを投与するとヒアルロン酸合成は数倍に促進され、それにつれて量が増加するヒアルロン酸に固く結合した分子量86Kの蛋白質の存在を見い出した。この分子に対する特異抗体を作製し、この抗体を用いてイムノブロッティング法、螢光染色法によりFM3Avariants間で86K蛋白質の存在を調べた所、転移能とヒアルロン酸合成能と86K蛋白質存在量の三者の間によい相関を認めた。然しながら、細胞に蛋白質の放射能トレーサーを与えて86K蛋白質の合成活性を調べたが、FM3Avariantsのいずれも、またマウス繊維芽細胞を用いてもこの分子は放射能で標識されなかった。つまりこの分子は細胞自からが合成する成分ではないと思われた。生化学的免疫学的に由来を探ると、培養に用いた牛血清中にこの分子の存在を認めた。従って血清からの外来の因子によるヒアルロン酸合成が制御される可能性が出てきた。螢光染色像でみる限り86K蛋白質は細胞表面上に散在したから、予期した"コア蛋白質"として作用するならば、表面から細胞内へ取り込まれ、合成開始因子となる経路が考えられる。現在この経路を証明すべく、【^(125)I】で標識した86K蛋白質を調製し細胞への取り込みとその時のヒアルロン酸合成活性との対応を検討している。備品として購入した微量高速遠心機は、これらの解析に有効に使用された。
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