Project/Area Number |
60015044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 正一 大阪大学, 医, 講師 (00107038)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | ラット前立腺微小癌 / 3,2′-デメチル-4-アミノビフェニール / 性ホルモン / 去勢術 / 4週令幼若ラット |
Research Abstract |
4-Aminobiphenylの誘導体である3,2′-dimethyl-4-aminobiphenyl(DMAB)により8〜10週令F344系雄ラット前立腺にヒト前立腺癌類似の微小癌を33%の率で誘発しうることは既に発表した。成熟ラットを使ったこの実験に対して、離乳直後の3〜4週令雄ラット背部皮下にDMABを投与すると、前立腺微小癌の発生率は85.7%へと上昇した。DMABの全身投与(皮下注)による前立腺顕在癌の誘発を目的として、あらかじめ去勢術を行なった雄ラットに対してテストステロン連日投与により前立腺上皮のDNA合成を亢進させ、そのピーク時にDMABを投与する実験を行なった。その結果は期待に反して、目的とした顕在癌の発生は1例も認められなかったのみならず、微小癌の発生も30%へと低下した。生後48時間以内に新生仔去勢術を行ない、テストステロン刺激-DMAB投与を反復した実験では微小癌の発生すら認めなかった。 以上のことより、 【◯!1】DMABはラット前立腺に対して弱いながら発癌性を有する(33%)。 【◯!2】3〜4周令の幼若ラット前立腺に対してはDMABの発癌性はたかまり、実験モデルとして充分有効な発生率を認めた(86%)。 【◯!3】去勢ラットでの実験より、前立腺癌の発生には性腺の存在が必要であることが明らかになった。 【◯!4】DMABによるラット前立腺への発癌性は顕在癌の発生には至らず、微小癌の発生にとどまっている。 【◯!5】このことは逆に、ラット前立腺に対するDMAB発癌実験は前立腺微小癌発生の動物モデルとして有効であり、顕在癌への進展に及ぼす性ホルモンの影響、あるいは高脂肪食の効果など、ヒト前立腺癌の疫学調査により指摘された種々の修飾因子を検討しうる実験系として重要と考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)