成熟肝細胞の増殖と分化を司る細胞膜因子の精製とその情報受容機構不全による癌化機作
Project/Area Number |
60015064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 敏一 徳島大学, 医, 助教授 (00049397)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | 肝細胞 / 増殖 / 分化 / 細胞膜因子 |
Research Abstract |
成熟肝細胞の増殖と分化機能発現を相反的に調節する細胞膜因子(Cell surface moclcolator;CSM)はラット肝細胞膜からオクチルグルコーンドと4M塩酸グアニジンで可溶化後、ゲル瀘過により部分精製された。高度純化をめざして種々検討したが、CSMが著しく難溶であるため充分良い結果が得られなかった。現在、さらに工夫検討を加えているところである。しかし、CSMの高度純化には現在のところ期待した成果が得られていないが、部分精製CSMに関して興味深い成果が得られた。 肝細胞の最終分化の典型的なマーカーである肝特異酵素のtryptophan2,3-dioxygenase(TO)は生後数日の幼若ラット肝細胞では発現しておらず、逆になお活発な増殖能を有している。この幼若肝細胞をCSMをコートしたdish上で培養すると2日間で70%以上の細胞がTO発現細胞に分化する。CSMをコートしない通常のculture dishではわずか数%のTO発現細胞しか検出できない。CSMは幼若肝細胞の最終分化を促すと同時に、幼若肝細胞の強い増殖能を著しく抑制する。即ちCSMは成熟肝細胞のみならず幼若肝細胞に対しても最終分化の促進と増殖能の抑制を示すことが明らかになった。このCSM活性はトリプシン処理ならでに熱、酸処理によって失活する。CSMは未分化肝細胞のTO geneをswitch-onする分化因子としての機能を備えていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)