Project/Area Number |
60015091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲山 誠一 慶応義塾大学, 医, 教授 (30051030)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 低酸素性腫瘍細胞 / 放射線増感効果 / 電子親和度 / 静電ポテンシャル / 放射線損傷 / 修復阻害効果 / ニトロイミダゾール類縁体 / 最低非占軌道 / 大腸菌B / r / 非ニトロ系イミダゾール |
Research Abstract |
低酸素性腫瘍細胞損傷ならびに修復阻害物質の分子設計において化合物の親電子性と疎水性に注目し含ニトロ複素環化合物に止まらず各種の非ニトロ系化合物を候補対象とした。半経験的分子軌道法計算により算出された最低非占軌道(LUMO)からの電子親和度(EA)に基き、5-置換-2-メルカプトイミダゾール誘導体について分子設計した。 その結果、1-メチル-2-メチルスルファニル-5-イミダゾリデンジメチルマロネ-ト(KIH-62、EA=-1.64eV)、1-メチル-2-メチルスルファニル-5-イミダゾリデンジメチルマロネート(KIH-63、EA=-0.01eV)、および1-メチル-2-メチルスルホニル-5-イミダゾリデンジメチルマロネート(KIH-64、EA=-0.92eV)の3つを候補対象に選んだ。さらに、その大量合成に適する効率的な合成法を開発し合成した。次にこれらの放射線損傷修復阻害候補物質を細胞しベルで検定のためチャイニーズハムスターV79のコロニー形成能を用いる放射線増感効果によって判定した。KIH-64は0.5mMで増感率(ER)=2.78を示し、ミソニダゾールよりもはるかに強い増感効果を示した。次に分子設計の新しい試みとして、2-アリリデン-シクロペンテン-1,3-ジオンの静電ポテンシャルを算定作図した。その結果、負電荷効果の分布と効果との間に正の相関を認めた。又2,4-ジニトロイミダゾール-1-エタノール(DNIE)の増幅(増感)機構を明らかにするため、その活性代謝産物をHPLCで分画し、FAB-MASSによりそのヒドロキシアミノ誘導体であることを確認した。またこれを化学合成し、大腸菌耐性株B/rを用いる増感効果を調べたところ、ER1mM=2.88を示しDNIE(ER1mM=1.68)より強い活性を示した。最後にDNIEのin vivo増感効果を検討し、単独照射群に較べ併用群の腫瘍倍加時間は1.7倍で、現在まで100日以上生存しているマウスの約30%で腫瘍消失を認めた。
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