細胞内retinoic acid結合蛋白遺伝子の導入による癌細胞の分化誘導
Project/Area Number |
60015095
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
守内 哲也 東海大学, 医, 講師 (20174394)
|
Project Period (FY) |
1985
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
|
Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
|
Keywords | 細胞内レチノイン酸結合蛋白 / PCNA / Cyclin / 細胞分化 / 細胞周期 / DNA複製 / in situ hybridization |
Research Abstract |
ラット単球性白血病細胞(WRT-7)にはレチノイン酸(RA)によって分化が誘導されるクローンとそうでないクローンがある。この二つのクローンを用いて細胞分化の機序を核酸レベルで解析するのが本研究の目的である。この細胞分化は基本的にはRAと細胞内レチノイン酸結合蛋白(CRABP)が細胞膜面で結合しこの複合体が核に移送され、DNAの複製阻害が起こり分化のプロセスが進行すると考えられる。DNA複製と密接に関与する核蛋白として増殖性細胞核抗原(PCNA)が注目されていたが近年、細胞周期のS期に特異的に核に出現するcyclinがPCNAと同一の物質であることが証明されPCNAのDNA複製にはたす役割が注目されている。守内はCRABPとPCNAの両遺伝子のcDNAクローニングを試みた。両遺伝子産物が胸腺や精巣などの細胞分裂と細胞分化の盛んな臓器に共存していることに着目してラット胸腺cDNAライブラリーをそれぞれの合成DNAプローブでスクリーニングした。その結果 CRABPのcDNAクローンは得られなかったがPCNAの完全なcDNAクローンを得ることに成功した。このクローンのcDNA塩基配列は一部を除いてほぼ終了した。全長は1200bpで62bpの5′UTの後に約900bpの蛋白をコードできる領域を持ちその後に3′UTが続いて最後にpolyAが35個ついている。既知の家免PCNAのN末端アミノ酸25個のうち24個が一致しているのでこのクローンがラットPCNAをコードしているcDNAであることが確認された。中根は抗PCNA抗体を用いてWestern blot法によりPCNAが動物界だけでなく植物界においても細胞分裂時に出現することを証明した。中根・守内はクローニングされたcDNAを用いてそれに対応するmRNAの組織内分布を検索するためにEnzyme-immuno-histo-in situ hybridizationの技術を開発し実用段階に入っている。守内は代表的分化抗原であるThy-1抗原の遺伝子構造の決定も行った。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)