断層モデルによる入力地震波と地震工学的手法による模擬地震波との比較とその改良
Project/Area Number |
60020014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 良輔 東京大学, 理, 教授 (10011470)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 短周期地震波 / 強震動特性 / 非一様破壊 / 断層モデル / 波形合成法 / 模擬地震動 |
Research Abstract |
地震学と地震工学の分野で従来独立に行なわれてきた短周期地震動計算手法の比較・改良を目的として、以下の項目の研究をレビューし問題点の整理を行なった。 1.震源における短周期成分の発生、 破壊力学に依れば、短周期成分は、破壊伝播速度の変化と応力降下量の変化に伴なって発生する。これの原因として、現在考えられている2つの物理的モデル、即ちアスペリティ(突起点)とバリアー(障害物)モデルの比較を行なった。 2、強震動の方位特性・継続時間、 方位特性としてはくい違い(複双力源)による放射分布と、破壊伝播による方位特性が考えられる。後者については(長周期成分は勿論)短周期成分にもはっきり確認された例があるが、前者の研究は少なく、破壊の非一様性によって顕著には現れていないようである。岩盤での継続時間は震源における破壊時間と良い相関があるが、岩盤以下の地点での継続時間には、破壊時間以外の要因が大きい。 3.最大加速度・速度の距離賞衰式、 地震マグニチュードM<7の地震については、種々の経験式の結果に大きな差異はない。M27で距離が20km以下のデータが殆んど無いため、この範囲に対する経験式の信頼性は高くない。断層近傍での距離の定義に問題がある。 4.波形合成法、 余震記録をグリーン函数として重ね合わせて本震地動を合成する波形合成法では、地震モーメント、合成要素数、起ち上り時間等の補正方法に、各研究間で差異があり、特に短周期領域でのスペクトルのスケーリング則の確立が望まれる。 まとめ、以上4項目の整理を通じて問題点を把握することにより、非一様破壊断層モデルでランダム性を与える微小領域でのくい違い量(応力降下量)、すべり速度、破壊伝播速度等のパラメターや、設計用模擬地震動での位相特性について考慮すべき改良点が見出された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)