液状化層の堆積構造に基づく液状化深度の推定に関する研究
Project/Area Number |
60020044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
陶野 郁雄 国立公害研究所, その他, 研究員 (00016479)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 液状化現象 / 堆積構造 / 砂質堆積物 / 開削調査 / 地震災害 / 地質踏査 / 粒度組成 / 噴砂孔 |
Research Abstract |
1983年日本海中部地震の際、最も液状化現象が顕著であった青森県車力村を中心とした地質踏査を行った。この調査結果と航空写真解析による地形学的調査結果から、最も液状化現象が顕著であった所は、屏風山砂丘帯に発達するパラボラ型砂丘の吹き抜け凹地であることが分かった。車力村富萢で見られた巨大噴砂孔群も吹き抜け凹地に限られていた。そこで、車力村農村広場に隣接した休耕田内に発生した直径7mの巨大噴砂孔を開削調査し、液状化層の観察を行った。 その結果次のようなことが明らかになった。 1.不整合面の上にあたる新期砂丘砂層の下部層が地震時にほぼ全面的に液状化した。 2.地下水面下の新期砂丘砂層の中部層は下部層からの浸透流などによって、二次的に液状化した。中部層は全面的に液状化したのではなく、複雑な分布をしているが、噴砂孔に通じる液状化層、割れ目に液状化した砂が充填してできた砂脈、液状化しなかった砂層に分けることができる。 3.吹き抜け凹地という地形条件と地表面が火山灰質ロームの客土層という地質条件が重なって、巨大噴砂孔が出現したと推定される。 4.巨大噴砂孔を形成している砂火山の形成過程は玄武岩質火山の噴火に見られるそれに類似している。 5.噴砂孔内の液状化層はかなり深い所まで非常に緩い。しかも、地下水面上の地層が崩壊してできた塊が確認できる。これらの事実は過去の液状化層を探ぐる有力な手掛りとなると考えている。 以上のように、液状化現象は砂の土質力学的特性だけでなく、地形地質学的特性とも密接な関係があることが分かった。液状化が発生する深度を推定する手掛りは得られたといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)