Project/Area Number |
60025002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山村 悦夫 北海道大学, 国立大(その他), 教授 (00001230)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 小河川氾濫 / 社会的被害 / 土地利用高度化 / 水害発生構造 / 地域防災 / 医療施設被害 |
Research Abstract |
今年度は、対象地域の北海道南西部、特に室蘭市及び登別市を中心として、土地利用に関する自然、社会的指標データの収集と整理、医療施設の被害実態分析を行った。その結果、次のような社会的被害要因の実態分析結果が得られた。 (1)対象地域の水害発生要因をみると、秋雨前線、台風による集中豪雨等8月から9月に発生するケースが多く、局地的な集中豪雨となっている。その要因は、海成段丘と狭小な沖積地に宅地開発がなされ、このような土地利用高度化の速度に対して、中小河川の整備の遅れと、満潮時の悪条件の複合的原因が中心となっている。 (2)災害は、急傾斜地の崩壊と河川の異常流出による低地帯市街地の浸水で発生する場合が多く、下流域の資産、人口の高集積・高集中に対応する治水対策の遅れが目立っている。 (3)医療施設の被害としては、4か所あったが、昭和58年9月の集中豪雨の被害としては、登別厚生年金病院で甚大な被害を受けた。当病院は高さ100mの山ろくにあり、裏山が急傾斜地で、幅50m以上にわたって崩壊し、その土砂が病院の1階の外来とレントゲン室と2階の手術室を直撃したが、夜中であったので在院患者がいなかったので人命被害はなかった。しかし、病院の被害は甚大で、二次災害の危険と衛生面より診療継続は困難になり、入院患者は、全道各所の病院に転院した。 (4)今後の対策としては、現況計画高水量の見直しを図り、築堤、ポンプ施設、遊水地などの広汎な治水対策が必要であり、土地利用にあたっては、危険度の導入により上・下流一体的な計画も考察することが必要である。さらに、医療施設については、特に水害多発地帯では立地条件を十分に配慮して、医療施設配置を適切に行う必要がある。
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