Project/Area Number |
60025005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 昭 東北大学, 理, 助教授 (40004460)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 火山体深部構造 / マグマ / 潜在的活動度評価 |
Research Abstract |
本研究は、地表面に出現する火山活動の根源である火山体深部のマグマの状態を明らかにし、それに基づいて火山の潜在的活動度の評価を試みようとするものである。本研究では、地下深部に存在するマグマの状態を捕捉するのに最も有力な手段である地震波を用いて、火山地域下の地殻及び上部マントル構造を求めた。即ち、東北大学の微小地震観測網、広域火山観測網の既設定常観測点と、新たに設置した臨時観測点とで、岩手山等の火山地域に稠密観測網を構成し、詳細な三次元地震波速度構造を求めた。その結果、東北地方の活火山直下にはP波及びS波の顕著な低速度域が存在すること、この低速度域は活火山直下の表層付近から、深くなるにつれやや西側に移動し、深発地震面近くの深部に迄達していること等、マグマの上昇経路を強く示唆する重要な知見が得られた。更に、例えば岩手山、秋田駒ヶ岳、秋田焼山等の活火山の集中している秋田県北東部地域では、深発地震面付近の深部から延びるP波及びS波の低速度域が地殻下部に至って二つに分岐し、そのうち主要な一方は岩手山等の活火山直下の地表面に迄達しているのに対し、枝分れした他の一方は地殻下部迄は達しているが地表面迄は届かずそこで消滅していること、そしてこの低速度域が消滅している地点は、第四紀の火山ではあるが現在は活動的でない森吉山の直下に対応していること等、詳細な構造が明らかになった。また地震波の減衰構造(Q構造)の上でも、活火山直下に低Q域が分布している等、地震波速度構造に対応した分布が得られた。本研究結果から、火山直下の地震波速度構造、減衰構造(Q構造)を詳細に知ることにより、火山の潜在的活動度を推定する可能性が確かめられたと考えられる。
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