Project/Area Number |
60025044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北村 良介 鹿児島大学, 工, 助教授 (70111979)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | しらす斜面 / 自然含水比 / 粒度組成 / 指標硬度 / 強度定数 / pF値 / 強熱減量 / 鉱物組成 |
Research Abstract |
鹿児島市西部の標高約100mの切土しらす斜面より乱さない試料、乱した試料を採取し、各種の実験を行った。切土斜面は高さ約5mであり、しらす層の上部には約2mの新期火山噴出物が堆積している。このしらす斜面を層に分け、16ポイントより乱した試料を、また、10ポイントより乱さない試料を採取し、また、指標硬度を測定した。実験室に持ち帰った乱した試料については物理試験を行い、比重,自然含水比,湿潤密度,液性・塑性限界を求めた。また、粒度試験,強熱減量試験,X線回折法による鉱物の同定、二重セル型三軸室を用いたせん断試験による強度定数の決定、遠心含水当量試験および土柱法によるpF値の測定を行った。乱さない試料については、定水型の透水試験を行い、各層の透水係数を求めた。それらの結果を総合してみると、しらす斜面の各層の物理・化学的特性、力学的特性には差異があること、特に、新期火山噴出物からなる粘土化した火山灰固結層、および、古土壌化したしらす層とその上部との境界面に顕著な差異がみとめられることがわかった。例えば、火山灰固結層は上下の層に比べて指標硬度が大きく、自然含水比、強熱減量も大きい値を示す。強熱減量の増減は粒度組成の細粒分(シルト,粘土)の増減と対応している。湿潤密度は火山灰固結層、古土壌化しらす層で大きな値を示し、上下層と不連続である。透水係数についてみると、粘土化した火山灰固結層の透水係数は、その上下層と比較すると3オーダ小さく、誤土壌化したしらす層はその直上の層より2オーダ小さくなっている。せん断試験より得られる強度定数をみると、火山灰固結層はその上下の層に比べると大きなことがわかった。これらのことは、降雨時に透水係数の小さなこれらの層が不透水層となり、最近のしらす斜面によくみかける崩壊パターンである表層すべり型の崩壊に大きく寄与していることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)