山村においての森林環境に対する住民意識についての研究
Project/Area Number |
60035025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菅原 聡 信州大学, 農, 教授 (80021046)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 森林環境 / 住民意識 |
Research Abstract |
森林環境を「木材生産の場」として意識している「山村地域」住民の森林意識は伝統的なものであり、里山などの森林を維持させてきた重要な基盤であった。かって「山村地域」といえば、すべての人達が農林業に従事し、森林を「生産の場」・「生活の場」として利用し、伝統的な生活様式によって生計をたてていたが、最近になると、森林に対しての経済的依存度が一般に低くなってしまって、ただ広大な森林が存在していることだけが共通なのであり、生産面だけでなく、生活の面においてもかなりの相違がみられるようになってきている。そのように山村が多様化してきたので、山村においても「森林環境に対する地域住民意識」が多様化してきていると考えて、「山村における森林環境に対する住民意識」を明らかにすることを本研究の目的とした。 「具体的で、伝統的な森林意識」は、わが国の山村で、森林と共存しながら、森林を生産の場と生活の場として活用してきた人達が抱いていた森林意識である。最近になって、森林との直接的な関わりをもっている人が少なくなり、その結果として、具体的な森林から離れ、ただ観念的にのみ森林に接している人が増えてくるとともに、「情感的で、感性的な森林意識」が増えてきた。山村においても、「情感的で、感性的な森林意識」は、その地域の「森林率」や「森林密度」が低く、「人口密度」が高くなるほど、高くなる傾向を示しているし、また、「山仕事をしたことがない」・「森林へ休養に行く」・「森林を持っていない」比率が高いところでほど、高くなる傾向を示している。山村において、「具体的で、伝統的な森林意識」こそが里山などの森林を維持させてきた基盤であり、このような森林意識によって、山村住民によって森林が管理されながら森林が維持されてきただけに、「具体的で、伝統的な森林意識」の保続はきわめて必新なことである。
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Report
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Research Products
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