Project/Area Number |
60035026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堤 和男 豊橋技術科学大学, 工, 助教授 (00013178)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ポリマーグラフトシリカ / 吸着剤 |
Research Abstract |
研究目的 表面積の大きい無機系吸着剤表面に高分子をグラフト化することにより、その網状構造内に有機物を取込む機能を有す吸着剤を開発し、水中の有害物の除去を試みる。表面へのグラフトは、リビングポリマーを化学的に直接固定化して行う。こうして調製したポリマーグラフト吸着剤により、水中の低中級脂肪酸、水銀の吸着実験を行い、除去効率とグラフト化の相関性を明らかにし、機能性吸着剤の開発の指針とすると共に、環境改善への適用性を検討する。 成果概要 無細孔性のシリカ(Aerosil380)微粒子を熱処理によりシロキサン化した後、あらかじめ所定のポリマー濃度、分子量に調製したリビングポリスチレン溶液系に添加し、ポリマー末端をシリカ表面に直接化学的にグラフトして改質シリカを得た。改質シリカは水への浸漬熱、二液系からの吸着選択性から、疎水化と共に親油化が進んでいることが明らかだが、その度合はポリマー重合度、およびグラフト率により異る。【C_2】〜【C_6】脂肪酸の水中からの吸着は、未処理およびトリメチルシリル化シリカでは吸着能を示さないのに対し、ポリマーグラフトにより著しい活性を生じ、最大吸着能は分子量が1〜2万、グラフト率15重量%の時に得られる。水中の水銀吸着は、水銀イオンをジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムによりキレート化した後の吸着能として調べた。1ppmの水銀溶液を改質シリカ(分子量500、グラフト率14%)層に流通させた際の除去率は、90〜100%を保持し、水銀の吸着量として480mg/g-シリカまで完全な破過は見られない。吸着水銀は、メタノールで約90%、ついでクロロホルムで100%溶離され、再生物についても水銀除去率は90%以上を示し、くり返し使用の可能性も示された。未処理、トリメチルシリル化シリカでは殆んど水銀吸着能は示さず、表面グラフトポリマーの機能的吸着能を示唆する。
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