Project/Area Number |
60040065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Energy Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊藤 浩司 宮崎大学, 農, 助教授 (40011895)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 多年生草類 / ネピアグラス / エネルギー資源作物 / バイオマス乾物収量 / メタン醗酵性 / メタン収量 / 刈取り回数 / ソルゴー |
Research Abstract |
多年生草類のネピアグラスについて、我が国各地域におけるエネルギー資源作物としての利用性を検討する目的で、東京、名古屋、福岡、宮崎、那覇、西表島にて、比較的多肥の条件下で栽培し、バイオマスの乾物収量及びメタン醗酵性などを調査した。 1.乾物収量:本年度植付けの材料では、年間1回刈りの収量は、各地域とも35ton/ha前後で、それぞれの地域で従来栽培されている他の作物に比べて多収である。年間2回刈りの収量は北の地域ほど少ないが、福岡以南の地域では、1回刈りとの差は小さい。これらの地域では、昨年度植付けの材料が越冬し、福岡の1回刈りの場合、充分に灌水されたことも一因となって、約53ton/haの多収となり、那覇では、4月30日から11月25日にかけての4回刈りにより、合計約50ton/haの収量を得た。宮崎では、1回刈り及び2回刈りの収量ともに、植付け後3年目以内の材料は35ton/ha前後であったが、4年目の材料は30ton/ha以下となった。 2.メタン醗酵性:地域、刈取りの回数及び時期、植物体の部位などにより醗酵性は異なるが、他の牧草及び農作物に比べてまさる例が多い。乾物収量とメタン収量との間には有意の相関々係があり、乾物収量が35ton/haの場合のメタン収量は約7.2【km^3】/haと推定される。 3.以上により、ネピアグラスは、少なくとも東京以南の低標高地域におけるエネルギー資源作物として好適な生育特性を備えていると判断される。バイオマス多収のための栽培法に関しては、なお検討すべき点は多いが、多肥、充分な灌水及び少回刈りは多収に有利であり、北の地域ほど、生産期間が短いので、栽植密度が高く、刈取り回数が少ないことが望ましい。本研究に参考として供試したソルゴーも、バイオマス生産性及びメタン醗酵性ともに比較的高いように見受けられるが、病虫害或いは台風被害を受け易く、生産が不安定である。
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