Project/Area Number |
60040066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Energy Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大井 進 大阪市立大学, 理, 教授 (50046950)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | イナワラ / 高温メタン発酵 / 有効エネルギー化 / 酵素処理 / 好熱性クロストリディウム属菌 / キシラナーゼ / β-キシロシダーゼ / キシラン |
Research Abstract |
再生可能なエネルギーとして重要なバイオマス(農産廃物や草本性植物)をメタン発酵により気体燃料(【H_2】【CH_4】)に変換する有効エネルギー化の研究の一環として、本年度はこれら材料の最適処理条件を見出し高速かつ効率的メタン発酵の実施をめざした。 1.材料の前処理による発酵効率の向上:凍結粉砕粉末化された材料を稀アルカリに浸漬したのちph4.5にてセルラーゼ処理を行った。1%メイセラーゼの処理によってイナワラを最大78%まで可溶化することが可能であり、これより高温(55℃)での発酵において良好なガス発生を認めた(【CH_4】,52〜67%)。ジャーファーメンター(5l)を用いる試験によってガス化プロセスのスケールアップを行い、その際材料の負荷濃度を約2倍にまで高めることが可能であることを明らかにした。またこの場合ガス発生槽と独立した酸生成槽を設ける2槽式発酵によって材料の前処理の効率を上げ、ガス化プロセスを高速化し得た。キシラン、セルロースを材料とするメタン発酵過程の解析結果より算出したこれらの分解利用速度の差異より高温(55℃)メタン発酵の有効性を指摘した。 2.高温酸生成菌について;キシランの分解可溶化に関与する嫌気性菌として高温メタンスラッジより3種のClostridiun属菌、また中温スラッジよりC.hijerinkiiとみなされる1株を分離した。これら4株について諸性質を比較検討した結果、高温菌3株はいずれも増殖速度、生育量において中温菌のそれを上まわるものであることを見出した。高温菌のの1株(XY-6)は上清中に1種のキシラナーゼを分泌生成するとともに菌体結合型として1種のキシラナーゼ及びβ-キシロシダーゼを生成した。菌体結合型標品によるキシランの分解限度は60%と高く、分解産物はキシロースのみであった。キシロースは以後の酸生成過程においてすみやかに利用され、高温(55℃)でのメタン発酵を高速化しうる一要因であるとみなされた。
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