Project/Area Number |
60045054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Energy Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上野 康定 岐阜大学, 工, 教授 (00021577)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 湿式太陽電池 / 化合物半導体 / 薄膜 / 電気泳動 / 溶融塩電解 / 光溶解処理 |
Research Abstract |
化合物半導体薄膜を電極材料に用いる安価な湿式太陽電池の開発が望まれているので、これに適する薄膜形成法として、電気泳動析出法と溶融塩電解法とを取上げた。本年度は、電気泳動析出に適する安価なCdSeの微粉末を合成するため、セレノ亜硫酸塩からの均一沈殿反応について検討し、また、溶融塩からのCdTeの電析機構を解明した。 0.125M 【Na_2】Se【SO_3】を含む1.5M 【Na_2】【SO_3】水溶液に所定量の【Cd^(2+)】又はCd【(NH_3)(^(2+)_4)】を加え、80℃で1hr反応させたときのCdSeの収量は100%近くに達するが、アンミン錯体からの沈殿反応はいくぶん抑制される。この方法で合成したCdSe微粉末を加圧成形後、焼結して光電極とし、これを1M NaCl中で光溶解処理を行うと、電極表面の結晶粒に2〜3の特徴ある光溶解パターンが現れるが、いずれもC軸に平行な面の光溶出によることを確認した。このような光溶解処理を行った電極は、通常のケミカルエッチング処理だけを行った電極にくらべて光応答特性が改善される。同一条件で作製したいくつかの電極に光溶解処理を施し、これとPt対極及び硫化物電解液を用いて湿式太陽電池を組立てて測定したエネルギー変換効率は平均6%に達しており、電気泳動析出を含めた光電極の作製に十分利用できる経済的なCdSe微粉末の合成方法を確立した。一方、LiCl-KCl共晶組成の溶融塩中にCd【Cl_2】及び【Na_2】Te【O_3】を加えた浴からのカソード電析機構は、-0.18V(VS.Ag/AgCl)よりTeの析出にCdが引込まれてCdTeが形成し、-0.5V付近まで化学量論的にCdTeが析出する。さらに分極すると、【Cd^+】+【e^-】→Cdなる反応によりCd過剰となり、Te+2【e^-】→【Te^(2-)】なる還元反応も起っていることが、別に行った単一成分のカソード分極曲線の解析にもとづいて結論できた。なお、析出物に関しては、貴な電位よりの析出は単結晶の合成、卑な電位よりの析出は被膜の形成に利用できると考えている。
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