高分子溶液における光電荷分離機構の解明と収率の決定
Project/Area Number |
60045068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Energy Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増原 宏 京都工芸繊維大学, 繊, 教授 (60029551)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | レーザーホトリシス / カルバゾール / ピレン / 電子移動消光 / ダイマーカチオン / 高分子 |
Research Abstract |
1.極性溶媒中で各種カルバゾール高分子、モデル二量体をパルスレーザーで励起し電子移動消光をおこさせると、カルバゾールカチオンとアニオンが生じる。正電荷はsandwich型、カルバゾール環のうちベンゼン環一つ分を重ねたpartial overlap型、二つの環が少し角度をもったopen型の3種の構造のダイマーカチオンとして安定化されることがわかった。高分子のラジカルカチオンは、その化学構造に大きく依存し、ポリウレタンやポリ(N-カルバゾリルエチルビニルエーテル)ではopen dimer cationとなっている。ポリ(N-ビニルカルバゾール)においては、上記3種のdimer cationが存在しており、重合度を4から1100までかえても余り大きく変化はしない。一方アニオンの吸収スペクトルは、主鎖構造、コンフィギュレーション、コンホメーション、重合度の如何によらず、全てモノマーアニオンのそれに一致した。 2.ピレン系高分子としては、ポリ(1-ビニルピレン)とポリ(1-ピレニルアラニン)又それらのモデル二量体をとりあげた。ポリペプチド、ジペプチドはモノマーカチオンに類似した吸収となった。一方ビニル高分子やそのモデル、ビス(1-(1-ピレニル)エチル)エーテルは複数のダイマーカチオンの存在を示している。ビス(1-(2-ピレニル)エチル)エーテルにより、sandwich dimer cationの吸収スペクトルを決定することができた。これらの化合物のアニオンは全てモノマーアニオンの吸収を与えた。 3.以上の結果は、膜やミセル等さまざまな集合系においても、ダイマーカチオンとモノマーアニオンのダイナミクスが重要であることを示している。電荷の輸送にあたっても、正電荷は多種のダイマーカチオンの生成消滅をくり返えしていくが、負電荷はクロモフォア間をホッピングしていくものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)