Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
核融合炉の核熱設計の際、ガンマ線発熱量の評価及びガンマ線遮敞計算のために、ガンマ線生成核データが必要になる。本研究では、核融合炉の構造材として用いられる可能性の高いステンレス・スチールに着目し、特にその構成要である鉄とニツケルについて、夫々、keV中性子捕獲ガンマ線スペクトル及びMeV中性子生成ガンマ線スペクトルを測定した。更に、重核におけるガンマ線生成機構を調べるために、Ag,In,Sb,IのkeV中性子捕獲ガンマ線スペクトルを測定した。keV中性子捕獲ガンマ線スペクトルの測定は、東京工業大学原子炉工学研究所に設置されている3UH-HCペレトロン粒子加速装置を用いて行なわれた。ガンマ線は、76mmφ×152mmのNaI(Tl)検出器で囲んだコンプトン抑止型検出器を用い、中性子飛行時間法によって観測された。一方、MeV中性子生成ガンマ線スペクトルの測定は、東北大学工学部のダイナミトロン加速器を用いて行なわれた。生成ガンマ線は、実効体積80ccの高純度ゲルマニウム検出器を用い、中性子飛行時間法により測定された。その結果、鉄のkeV中性子捕獲ガンマ線スペクトルでは、【^(57)Fe】の基底状態及び第1励起状態への強い遷移が観測された。統計模型に基づく計算と比較すると、観測スペクトルは、かなり硬いスペクトルであった。Ag,In,Sb,Iの捕獲ガンマ線スペクトルは、ピグミー共鳴を含むBrink-Axel型のガンマ線強度関数を用いて予備的解析がなされた。これから、Ag,Inのガンマ線スペクトルには、ピグミー共鳴の存在が認められた。しかし、Sb,Inに対しては、ピグミー共鳴が存在しないか、又は、ピグミー共鳴の日強度が極端に弱められていると思われる。【^(58)Ni】による非弾性散乱に関しては、第1励起状態の励起断面積は評価値に良く一致しているが、第2,第3励起状態に対する評価値と観測値とは大幅に異なっていることがわかった。
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