Project/Area Number |
60055028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳 忠 大阪大学, 工, 助教授 (60029048)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | リチウム / トリチウム分離 / 金属窓 / ニオブ / ジルコニウム / 水素透過 / 鉄被覆 / プロトン導伝体 / リン酸ジルコニウム |
Research Abstract |
1.目的 液体Li中に溶存する水素同位体を分離回収することを目的とし、そのために先ず必要な金属窓材の開発と、電解用固体プロトン導伝体の候補材の熱的安定性に関する基礎的検討を行った。 2.成果 (1)金属窓材の開発 高水素透過性金属膜にNb,Zrを選び、液体Li中でそれらの高透過能を長時間維持させるためにRFスパッタ法で厚さ2μm以下のFe保護膜を付した試料を作製し、液体Li中での試験に先立って、水素雰囲気下でそれらの透過能を測定した。その結果、Fe被覆膜厚が十分に小さい場合にはFe被覆によって試料膜の水素透過能がむしろ増大した。このことからFe被覆はNb,Zrの表面酸化の抑止に有効であることが判明した。また、Nb,Zrの比較からむしろZrの方が窓材に適するものと判断された。従って現在、0.1μm程度のFe被覆Zr膜を作製するための条件および、その薄膜の健全性についての検討を行っている。 (2)リン酸ジルコニウムの熱安定性 液体Li中より水素同位体を直接電解抽出するため400〜500℃で使用可能なプロトン導伝性固体電解質の選定が必要であり、リン酸ジルコニウムを選び、これを合成してその熱的安定性を調べた。TGA分析により合成体の110℃加熱により良好なプロトン導伝体であるZrO【(H_2PO_4)_2】が得られた。しかし200〜1000℃の範囲では一定組成で示し得る安定な化合物は見出し難く、徐々に分解(脱水)が進行する。従って非晶質化等による合成法の改良または他の候補材(ペロブスカイト型)についての検討が必要となった。 以上の結果から、RI実験室内に新たに大型フードを設け、Fe薄膜被覆試料による試験を行うべく、液体Li実験系を組立てた。
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