Project/Area Number |
60113003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻川 郁二 京都大学, 理, 教授 (20025224)
|
Project Period (FY) |
1985
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
|
Budget Amount *help |
¥25,500,000 (Direct Cost: ¥25,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥25,500,000 (Direct Cost: ¥25,500,000)
|
Keywords | 有機錯体超伝導 / 高温超伝導 / 有機伝導体 |
Research Abstract |
1.β【(BEDT-TTF)_2】【I_3】の良質結晶を育成し、約1Kbar圧印加によって低超伝導転移温度Tc(〜1.5K)より高Tc(〜8K)となることを発見した。一方圧印加によるTcの上昇と〜180Kの不整合超格子発生との関連を調べ、圧力経験では超格子の変化のないことを見出した。2.【(BEDT-TTF)_2】I【B_K】の超伝導相、半導体相の構造解析や物性測定を行った。3. BEDT-TTF系錯体の合成法として電解法の他拡散法も有効であることを明らかとした。また-【$(C】H_2【)_2】$-BEDT-TTFとTTCn-TTFを合成し、末端置換基の結晶構造や物性に及ぼすキャップ効果を解明した。その他HCBD系錯体も合成しつつある。4.遷移金属錯体としては、Pt配位子置換型錯体を合成し、TTF-TCNQ同様鋭い伝導度のピークをもつものやKCPの場合よりPt間距離の短かい高伝導のものを見出している。その他Pt、Ni【(mnt)_2】、Ni(TBP,TPP)錯体も合成し、その一部について、構造解析と伝導性測定を行った。5.グラファイトに、直接KHを挿入した【C_4】K【H_(0.8)】では20mkまで超伝導にならなかったが、【C_8】K【H_(0.8)】では360mKに超伝導のオンセットがあり、Tcは〜70mKであることを見出した。研究設備面においては、赤外顕微分光システムを本体に付属させ、微少な試料の偏光反射・透過スペクトラム測定を可能とし、極微弱光測定用にフォトンカウンターを、波長範囲を可視領域から20μmまで拡張すると同時に、室温から極低温下でのスペクトラム測定を可能とさせためクライオスタットの組立を行なった。また前年度設置のX線発生装置本体にX線散乱用低温装置を付属させ、またパルス電場下での伝導現象測定の手法とを結合させ構造ゆらぎと電気的ゆらぎとを同時に測定するため、パソコン、波形記憶装置、多重波高分析器等を設置した。調整完了後、超伝導出現の条件を多角的に探ることが可能となるので、研究面で大きな飛躍を期待出来る。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)