Project/Area Number |
60116001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 富雄 東京大学, 医, 教授 (10009136)
|
Project Period (FY) |
1985
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
|
Budget Amount *help |
¥22,700,000 (Direct Cost: ¥22,700,000)
Fiscal Year 1985: ¥22,700,000 (Direct Cost: ¥22,700,000)
|
Keywords | 食品アレルギー / 内因性ペプチド / レクチン / 食物繊維 / 消化管免疫 / 免疫抑制 / 免疫賦活 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、食品の三次機能、すなわち食品成分の生理体調調節機能、ことに免疫や内分泌、神経系などの高次機能の影響を解析した。 食品成分の免疫系への影響については、食品アレルギーにおける食品側および生体側の要因の解明を行なった。上野川班員は、卵・牛乳蛋白が原因となる食品アレルギーの研究より、特に卵蛋白のオボムコイドのドメイン構造と糖鎖の有無、種類と抗原性の強弱との相関を解析した。岡班員は、海産食品によるアレルギーである「ホヤ喘息」の抗原構造を解析した。ことに糖鎖構造とアレルゲン性の構造相関を証明した。白井班員は、遺伝的要因により発症する自己免疫疾患も、食物摂取の量と質で変化させることができることを実験的に証明した。高飽和脂肪酸食で自己抗体が産生され、低脂肪食で回復することを証明した。多田班員は牛乳蛋白中の、アレルギーおよび免疫抑制機能を持つ蛋白について、純系マウスを用いて遺伝的解析を行ない、乳蛋白に対する応答性を決定する遺伝子の存在を証明した。 食品成分の潜在的生理機能の開発と解析研究について、桐山班員は食物繊維の有用性を毒性軽減試験で示し、その分子機構に迫ろうとしている。千葉班員は既知の内因性オピオイドペプチドとは全く異なる外因性のペプチドが、母乳の酵素的水解物中に多数存在することを発見し、その構造解析により食品の潜在的機能を追究した。大沢班員は、植物レクチン類についてその有用性を開発すべく構造相関と生理治性の新規性を求めている。宇井班員は食物アレルギー症状の具体的結果としてのマスト細胞より遊離するヒスタミンに注目し、その放出に関連する種々の要因を検討した。これらは、食品の新しい機能の発見に迫るものである。
|