Project/Area Number |
60116006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 和夫 京都大学, 農, 教授 (60027175)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥20,800,000 (Direct Cost: ¥20,800,000)
Fiscal Year 1985: ¥20,800,000 (Direct Cost: ¥20,800,000)
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Keywords | 食品 / 一次機能 / 栄養機能 |
Research Abstract |
食品は本来、栄養素の供給源として位置づけられてきた。しかし計算上の栄養価が等しくとも生体に対して必ずしも等価の栄養効果をもたらすとは限らない。これは生体による栄養素認識と応答の差異に起因すると考えられる。本研究ではこのような新しい視点をも含めた食品の栄養機能を新たに評価するための基礎の確立を試みた。 食品の消化吸収過程で食品タンパク質は強い膵酵素分泌促進作用を呈し、膵液中の機能性ペプチドがこの作用をメディエートしていることを実証した。また、このペプチドを大量に精製単離し消化管内作用機構の解析、細胞内局在性を明らかにした(岩井)。食品タンパク質の管腔内挙動に関連する問題として消化過程で生成しカルシウム吸収促進機能を有するカゼインホスホペプチドの作用機作を明らかにし、さらに鉄に対する効果を調べた(内藤)。また、大豆タンパク質の消化過程で生ずるある種のペプチドに血中コレステロール降下作用があることを見出しその機構の解析を進めた(菅野)。また食餌に対する生体のエネルギー代謝応答の面から高炭水化物食のみならず高脂肪食摂取時にも甲状腺ホルモンの上昇を認めインシュリンとの関連を検討した(田中)。また生体異物に対する応答の面からPCB、DDT摂取が代謝ストレスとなって血中コレステロールの上昇を引き起す機構の解析を行い、ビタミンC要求量の増大することを見い出した(吉田)。一方、栄養素の生理機能を新しい側面から解析する手段として動物培養細胞系を設定しビタミンA酸による細胞分化の機構を解析した(杉本)。また電気生理学的手法によって消化管におけるペプチド吸収の動態を解析し、プロトン共輸送を介する新しい機構によることを明らかにした(星)。
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