Project/Area Number |
60117008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石井 昌三 順天堂大学, 医, 教授 (80052926)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥22,200,000 (Direct Cost: ¥22,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥22,200,000 (Direct Cost: ¥22,200,000)
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Keywords | 脳浮腫の発生機序 |
Research Abstract |
59年度に行われた脳浮腫の発生機序に関する基礎的研究成果を踏まえ、60年度には主として脳虚血モデルを用いて脳浮腫発生機序と消長に関する多角的研究を行った。橋本班員はサルの松果体実質のニューロンとシナプス形成について電顕的研究を行い、また萬年はトライトンX-100を用いて動物を潅流固定,浮腫成立に関与するアストロサイトの血管壁に対する終足と自由終末の微細構造を検索した。生田班員は末梢神経損傷にみるワーラー変性と末梢神経浮腫を研究し、その成果を中枢神経における脳浮腫と対比検討した。一方、後藤班員は、立場をかえて虚血性脳細胞腫張を熱力学的に考察し、脳組織固有の膠質浸透圧を実測するとともに、虚血性脳腫張が等浸透圧性に成立することを明らかにした。森班員と最上班員は虚血性脳浮腫モデルにおける浮腫液の移動と吸収の過程を免疫組織学的手段をも導入して検索し、脳浮腫液の血管透過性の機序、上衣下層の血管や脈絡叢からの浮腫液吸収機序を検索するとともに、独自に開発した蛍光標識血漿蛋白法を用いて虚血病巣部の微小循環動態をも観察した。吉田班員も独自に開発した脳虚血モデルを用いて、虚血時間と血液脳再潅流時間に対する血管壁構成細胞の動的変化について組織学的研究を行った。浅野班員は中大脳動脈閉塞モデルを用いて脳微小血管のNaとK-ATPaseの脳浮腫成立に及ぼす役割を究明、虚血後早期に起る微小血管機能を示す当該酵素活性の亢進が、脂質過酸化と関連して脳浮腫成立に関与することを示した。小暮と平川は脳浮腫病巣におけるエネルギーステートを【^(31)P】-NMR、又病巣部血流を【^(19)F】-NMRを用いて測定しそれぞれの相開を究明した。石井は班長としてこれら諸研究を総括するとともに、虚血巣周辺部に発生する浮腫が静水力学的環境因子の変動により影響を受け、脳浮腫が二次的に虚血辺縁部に漸次新しい病巣を形成しつつ脳浮腫が進行性に増悪する機序を明らかにした。
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