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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
名古屋大学理学部の大型高圧発生装置を用い、MgO,Si【O_2】 および【^(57)Fe_2】【O_3】(NENより購入)を原料として、鉄マグネシウムオルト珪酸塩のβおよびγ相を合成し、次の実験を行った。 1.γ相の常温高圧下のメスバウアー効果 作製したクランプ式ダイヤモンドアンビル型小型圧力セルを用いて試料を加圧し、ルビー蛍光圧力較正装置(無機材質研究所)によって圧力(P)を測定した。メスバウアー装置にとり付けられたパソコンMF16βSDによってフロッピーディスクに出力されたデータは、大型および中型計算機(名大,富大)によって解析された。 (1)アイソマーシフト(δ) アイソマーシフトは30GPaまでαδ/αρ=0.0026mm【s^(-1)】【GPa^(-1)】の割合で圧力とともに一様に減少する。この結果は、圧力による原子間距離の減少とともに鉄イオンと配位子の共有結合度が増加することを示す。 (2)四重極分離(ε) 四重極分離は最初圧力とともに増大し、15GPa付近で極大となり、その後は圧力とともに減少する。この結果は、鉄イオンのdε準位の結晶場分離(Δ)が1000【cm^(-1)】に近い値を持ち、圧力とともにΔがεの極大を過って一方向に(恐らく減少)変化するためと解釈される。 2.β相における鉄イオンのサイト占有率 常温常圧におけるメスバウアースペクトルを、3組のダブレツトの重なりとして解析し、それらの相対強度(サイト占有率に比例する)を求めると、四重極分離の小さい順に、0.50,1.00,1.75 となった。この3組のダブレツトは、X線測定から得られたサイトのひずみを考慮すると、それぞれM(2),M(1),M(3)サイトに対応するものと考えられる。
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