Project/Area Number |
60121012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 信男 京都大学, 理, 教授 (10029829)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥13,600,000 (Direct Cost: ¥13,600,000)
Fiscal Year 1985: ¥13,600,000 (Direct Cost: ¥13,600,000)
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Keywords | 微細組織 / 造岩鉱物 / 走査型電子顕微鏡 / 高温電子顕微鏡 |
Research Abstract |
地球内部で形成された鉱物は、その生成過程やその後の熱や応力の変化により、その形態が変化するとともに結晶構造や化学組成に不均一性を生ずる。従って、鉱物生成の過程やその後の歴史を知るためには、電子顕微鏡オーダーの微細組織(鉱物の集合状態、構造の欠陥、化学組成の不均一性など)の研究が極めて有用である。今回の特定研究は、走査型(反射)電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡に加熱炉を組み込んだ高温電子顕微鏡による造岩鉱物の高温下での観察法の開発を行なうと共に、直接観察の結果から相変化などの速度論的な研究を重点的にすすめることを目的としている。初年度である本年度は、バルク試料に対する高温走査型電子顕微鏡(HTSEM)の開発を行なった。 現在SEM用の加熱炉が市販されているが、光学顕微鏡より高い分解能での観察は600-800℃(試料ホルダーでの温度)までである。加熱炉の大きさを小さくするなど、二次電子検出の障害となる現象を極力おさえるよう加熱炉を設計・作製した。試料ホルダーの温度で 1200℃、実際の試料温度で約1000℃まで、常温時の分解能程度で観察可能であることが判明した。また数百℃まで温度が上昇すると二次電子像がより鮮明になった。原因は現在不明であるが、試料の加熱により像の分解能が向上できる可能性がある。 鉄隕石中に産するFe-Ni系の合金のテーナイト・カマサイトの加熱実験を行ない、Widmannstatten patternの組織の温度変化をHTSEMで観察した。加熱後の温度低下に伴いスピノーダル分解によると考えられる組織やマルテンサイト変態による双晶が観察できた。このように、高温下での微細な分解組織のinsitu観察に成功したことはHTSEMがこの種の研究に極めて有用であることを示している。さらに、いくつかの金属の昇華過程をHTSEMで観察することにも成功している。
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