Budget Amount *help |
¥69,000,000 (Direct Cost: ¥69,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥69,000,000 (Direct Cost: ¥69,000,000)
|
Research Abstract |
研究代表者および22名の研究分担者は、5グループに分れてそれぞれの役割に従って研究を行った。中西,岡田,片岡は溶液の分子動力学シミュレーションに関する研究を分担し、ブチルアルコール水液液や簡単な水模型についてシミュレーションを行い、水和構造模型に検討し、水の熱力学量や輸送係数の異常性を分子論的に説明したほかハロゲン化アルカリ溶融塩におけるself-exchange velocityを計算機シミュレーションにより求め、これを実験値と比較してChemla効果などを説明した。大瀧,谷口(一),池田,渡辺は局所構造とゆらぎに関する研究を分担し、EXAFS法、X線・中性子回折法等を用いて、水溶液中に存在する銅(【II】)錯体の構造や種々の非水溶媒中に存在する銅(【II】)、カドミウム、亜鉛などのハロゲノ錯体、チオシアナト錯体などの構造を明らかにした。高木,千原,中村,山寺,飯田,益田,野村は、分子間力の動的構造の研究を分担し、核磁気共鳴、ラマン・ブリュアン散乱法、超音波スペクトロスコピーなどの方法により、溶液ならびに柔粘性結晶相における緩和過程を調べ、イオンや分子の動的構造を明らかにした。山本,岩本,冨永,田中,齋藤,大木は、イオン対および錯体生成反応の機構の研究を分担し、拡散係数の測定からイオン対生成を明らかにし、核磁気共鳴、光スペクトルなどの手段を用いて種種の反応の機構を解析した。鈴木,谷口(吉),中原は高温高圧における溶液構造の研究を分担し、溶液中の分子およびイオンの微視的動的構造への温度・圧力効果やイオンの輸送機構についての新しい知見を得た。以上のほか、班全体の公開シンポジウム、分子動力学シミュレーショングループの研究会(9回)、高温高圧グループのセミナー、他の三つのグループを中心とする若手研究者による研究会を開催し、班員間の、また班員以外の関係研究者との交流につとめた。また各分担者は64の論文・著書を発表し、内外で148件の口頭発表を行った。
|