Project/Area Number |
60211003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮野 建次郎 東北大学, 電通研, 助教授 (90167677)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | LB膜 / 単分子膜 / 重合膜 / その場重合 / 一様性 |
Research Abstract |
単分子膜の一様性については研究例が少く、非常に立ち遅れているがその原因は、二つの実験手法上の不備にある。すなわち観察手段の欠如及び圧力・温度以外の膜制御変数の欠如である。我々はこの両方の面から改良を加えることを目指した。 1. 一般に単分子膜の直接観察は不可能であるが、重合によって空間的に拡がったπ共役電子を持つような物質では、偏光・螢光観察が可能になるものがある。そのような物質の一例としてジアセチレン誘導体の単分子膜を水面上でその場重合させたものを用いた。この重合膜を水平付着法でガラス基板上にうつしとり、偏光・螢光顕微鏡によって容易に直接観察できた。これにより、種々のモーフォロジー,ドメインの構造、欠陥等今迄考えられていた以上に多様な形態を示すことが解った。これ等の形態とその生成条件との対応は末だつけられていないが、温度及び機械的な非一様性が大きなドメインの成長を促すのではないかという仮定の下に作業を進めている。 2. 上述したドメイン成長のための変数を自由に制御することは従来の型の水槽では仲々困難であった。そこで我々はこのための新しい水槽を設計・試作した。温度制御を容易にするために気相の容積を極力小さくした平らな形とし、水深も浅くした。この結果±0.01度の制御が可能になった。また。フィルム状のバリヤを用いることにより、四辺を独立に圧縮できるようにして、膜内の機械的一様性を任意にコントロールできるようにした。この結果、積極的に不均一さを導入した時のドメインの核からの成長を示唆するような知見が得られた。今後はより詳しい成長機構の解明のため、その場観察できる装置を製作する予定である。
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