有機薄膜を用いた光メモリー及び光双安定性の理論的研究
Project/Area Number |
60211005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花村 栄一 東京大学, 工, 教授 (70013472)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 共役高分子 / ポリジアセチレン / 非線形分極率 / 光双安定性 / 光誘起構造相転移 |
Research Abstract |
共役高分子系は大きな非線型分極率をもつ事が知られている。我々はポリジアセチレンの電子構造を解明するため、第一にバンド計算により、第二にジアセチレンから始め分子の大きさを流しつつその電子構造を計算した。それに基づいて、第一、第二励起状態(励起子準位)を求めて、非線形分極率を計算し、その異常に大きな非線形分極率のなぞとその分子の共役長依存性を理論的に解き明かしつつある。また、光励起状態での電子・格子相互作用の大きさと特性を求め、ポリジアセチレンのアセチレン型とブタトリエン型の間の光誘起構造相転移の微視的理論に向けて努力している。今年度の成果は、ポリジアセチレンとしては、DFMDPとTCDU(A型)を非線形媒質として用いたときの光双安定応答の可能性を検討した。第一、第二励起子のエネルギー準位、振動子強度と緩和定数の77Kでの観測値を用いて非線形分極率を計算し、これを用いて定常的照射下における光双安定応答を求めた。非線形媒質の厚さLは10μmとし、両面での反射率をR=0.9と0.95に選び、入射光としては第二励起子の二光子共鳴の低エネルギー側の周波数を選んだ。この時にはコヒーレントな非線形応答が主となり、光双安定の動特性、即ち高透過と低透過の二状態間をスイッチする時間は、主に内部電磁場が両面から漏洩する速さ【γ_R】=CT/(2【n_o】L)によってきまる。ここにCは真空中の光速、【n_o】は線形屈折率、Tは両面での光の透過率である。スイッチ・オンとスイッチ・オフの動特性を調べ、確かに数ピコ秒でスイッチが可能である事が確認できた。問題としては、R=0.95では数MW/【cm^2】の入射光強度を必要とするが、良質の試料では破壊することはないと思われる。しかし、R=0.9の時には、30MW/【cm^2】を必要とし熱的効果が無視できないと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)