Project/Area Number |
60211019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増原 宏 京都工芸繊維大学, 繊, 教授 (60029551)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 全反射測定 / エキシマーレーザー / 深さ方向の解析 / 表面 / 有機薄膜 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
1.装置と試料の選択 全反射用の高屈折率ガラス基板としてサファイアを選んだ。サファイアは200nm以下まで透明でありけい光を発する不純物の含有量も少ない。この基板の上にモデル二層膜を形成する。既知の厚さ(0.01μm〜0.4μm)の表面層S-フィルムとバルク層B-フィルム(数+μm)に別にのけい光分子をドープし、Θをかえて両けい光の相対強度の変化をみた。ドープする化合物として種々の条件を検討した結果、S-フィルムにはN-エチルカルバゾールを、B-フィルムには9-エチルフェナントレンを添加することにした。 2.けい光データの解析 ポリスチレンモデルフィルム中のN-エチルカルバゾールと9-エチルフエナントレンのけい光寿命は、それぞれにns、46nsと求まる。モデル二層膜は両けい光の和となるので、そのけい光減衰曲線は二成分の指数函数の和となる。これをΘの函数として整理することにより深さ方向の知見を得た。 3.結果 308nmエキシマーレーザーを励起光に用いた場合、臨界角はおよそ68°である。この角度以下では、励起光はS,B両層をつき抜けているため、B層の寄与が圧倒的に大きいが、Θをこの角度より2°ほど大きくすると、表面S層が観測される。Θの精度と測定のSINが深さの分解能を与え、エキシマーレーザー励起によるアナログ計測法では、0.1μmオーダーの知見が得られることがわかった。この方式の今一つの問題点は添加物の濃度を高くすると、同一層内のエネルギー移動の寄与が無視できなくなることである。これは深さ方向の解析を甘くすることになる。又このような薄膜のけい光測定中に多くの原因で光劣化がおこることを見出した。今後はこのレーザー光反応機構も解明していく。
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