糖タンパク質のミクロ不均一性と糖鎖プロセシングの調節
Project/Area Number |
60214032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀田 恭子 北里大学, 医, 教授 (10050402)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ミクロ不均一性 / 糖タンパク質 / HPLC / オブアルブミン / 糖ペプチド / ダンシル / オボトランスフェリン / 個体差 |
Research Abstract |
糖タンパク質のミクロ不均一性を定量的に扱う試みを行った。研究の第一段階として各個体よりオブアルブミン(OVA)、オボトランスフェリン(OTF)を分離精製、続いて精製糖タンパク質をコンカナバリンAセファロースカラムにより分画した。OVAからはOA-ODの4画分がOTFからは【CA_(2-4)】の3画分が得られ、いずれの個体もこれら以外の成分を含むことはなかった。各成分比の個体間での変動幅も小さく、こういったミクロ不均一性も一定のコントロールの下に生じると考えられた。一方、分画パターン及び成分比の比較より、同一細胞で合成される両糖タンパク質間には全く相関が認められず両者の糖鎖が独立に形成されることを示している。次段階として、2つの糖タンパク質をプロナーゼ分解し、糖ペプチドを調製、ダンシル化後HPLCでマッピングを行った。OVAからは12個のピーク(1-12)が、OTFからは2個のピークが分離され、OVAピークのうち10と12がOTFのものと一致、両糖タンパク質でその不均一性の程度が全く異なることが判明した。HPLCより得られる各成分とこれまで報告されている糖鎖構造との対応付けを行った結果、クロマト上での各ピークの分離に関し、高マンノース型糖鎖は混合型糖鎖に比しより速く溶出されること、マンノース、N-アセチルグルコサミンが一残基異なる成分は相互に良く分離され、ガラクトース一残基異なるものは隣接するピークを形成する等、その特徴が明らかとなった。ピークの定量的分析の結果、ガラクトース一残基異なる成分の組み合わせ、6と7、8と9、11と12の比の間に個体間で一定の関係が認められた。この結果より、invivoでのこれら成分(6,8,11)の生合成に同一のガラクトース転移酵素が関与していることが推定され、ミクロ不均一性がこのような広い特異性を有する転移酵素により生じる可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)