分泌阻害剤の応用による分泌蛋白質プロセシングの解析
Project/Area Number |
60214034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
池原 征夫 福岡大学, 医, 教授 (70037612)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | プロ型前駆体 / 前駆体の変換 / 細胞内蛋白修飾 / 弱塩基類 / プロセシング / 糖鎖構造 / ハプトグロビン / 補体成分C3 |
Research Abstract |
本研究では、ラット肝細胞初代培養系を用いて、主要血清蛋白質の生合成と細胞内移行過程におけるプロセシングならびに糖鎖構造について検討し、次のような成果が得られた。 1.弱塩基類の分泌および分泌蛋白質のプロセシングに及ぼす影響。 EndosomesおよびLysosomes内の酸性pHを上昇させることによって、 Receptor-mediated Endocytosis系に抑制作用を示す弱塩基類(クロロキン、メチルアミンなど)は、分泌に対しても阻害作用を示すことがわかった。これらのアミンは、Albuminおよび補体成分C3の各前駆体がゴルジ装置で血清型に変換される過程(選央的蛋白分解)を強く阻害するが、同じゴルジ装置で起る糖蛋白質(Haptoglobinおよび【α_1】-ProteaseInhibitor)の複合型糖鎖への変換に対しては殆んど影響を与えなかった。これらの結果は、ゴルジ装置trans領域は【H^+】-Pumpによって酸性に維持されているという最近の実験結果を支持すると同時に、そこで起る蛋白質の各種修飾のうち、特にプロ型前駆体の変換に関与する蛋白分解酵素はpH変化の影響を強く受けることを示唆する。 2.Haptoglobinおよび補体成分C3の糖鎖構造。 肝細胞培養系で糖鎖を【^3H】-Mannose等でラベルしたHaptoglobinおよびC3を精製し、各蛋白質の糖鎖構造を解析した。Haptoglobinの糖鎖は【α_2】【β_2】のサブユニットのうち、β鎖のみに各2本、計4本存在することがわかった。各種分析結果から、各β鎖はTri-およびBi-Antennaryの複合型糖鎖を各1本ずつもつことが明らかになった。一方、C3はαβのサブユニットのうちα鎖のみに糖鎖があり、高マンノース型糖鎖とTri-およびBi-Antennaryの複合型糖鎖を各一本ずつもつことがわかった。以上の結果から、ラットのHaptoglobinおよびC3の糖鎖構造ならびにサブユニット間の糖鎖の存在様式は、既に報告されているヒトの各蛋白質の分析結果とかなり異なっていることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)