食品の呈味,香気成分に対する感覚応答の電気生理学的解析
Project/Area Number |
60216002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬, 教授 (00016114)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 食品 / 呈味 / 味神経応答 / 温度 / 臭細胞 / 電気生理学 / 神経芽細胞腫 |
Research Abstract |
食品の機能において、味と匂いは最も重要な要素の1つである。本研究においては、食品中の味物質や香気成分の感覚刺激効果を定量的に測定し、その発現機構を考察した。 1.我々が口にする食品の温度は、冷いものから熱いものまで非常に広範囲にわたっている。このように食品の温度が広範囲に変化したときに、味の強さがどのように変化するかは定量的に調べられていなかった。そこでラットを用いて各種味物質に対する味神経応答が温度によりどのように変化するかを測定した。 一般に味応答は、29C付近で最大応答を示し、これよりも高温でも低温でも味応答は減少する。塩や酸味に対する応答は低温でも比較的大きいが、糖やアミノ酸に対する応答は著しく減少する。またグルタミン酸ソーダとグアニル酸の相乗作用は、低温では殆どみられないが、常温では非常に大きくなる。この様に、各種の味物質に対する応答は、味物質の種類により大きく異なることが分かった。 2.匂い物質と臭細胞との相互作用を調べるためには、臭細胞を単離しこれと匂い物質との相互作用を調べるのが最も直接な方法である。今回我々は生理的機能を保持した臭細胞標品を、ブタの臭上皮から単離するのに成功した。この細胞標品は、各種の匂い物質により脱分極性の膜電位変化を示した。膜電位変化の起こる濃度領域では例外なく膜流動性が変化した。匂い物質は臭細胞膜に吸着し、受容ドメインの構造変化を引き起こし、これにより膜電位変化が起こると推定した。 神経芽細胞腫(N-18細胞クローン)は、臭細胞とは無縁の細胞であるが、各種の匂い物質により臭細胞と同じように脱分極応答を示した神経芽細胞腫は臭細胞と無縁の細胞であるから、匂い物質に対する特異的な受容蛋白質を有する筈がない。臭細胞でも匂いの受容は、特異的蛋白質の関与なしに匂いの識別がなされているものと推定した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)