Project/Area Number |
60216015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安本 教傳 京都大学, 食糧研, 教授 (50026514)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | イソペプチド / ε-(γ-グルタミル)リジン / γ-グルタミルアミンシクロトランスフェラーゼ / 加水分解 / 食品加工 |
Research Abstract |
食品加工技術の発達に伴ない、食品素材は従来の加工技術では想像もできない条件下に曝されることになった。その結果、食品加工プロセスの影響を特に受けやすいタンパク質においては、アミノ酸側鎖が修飾を受けることが多くなった。中でも、反応性に富んだε-アミノ基が関係したイソペプチド結合の生成は、それが難消化性であるが故に、必須アミノ酸であるリジンの栄養有効性に危惧を抱かせている。本研究では、食品加工時に生成する難消化性分子間架橋構造であるイソペプチド結合を有するタンパク質の分解を目的として、ε-(γ-グルタミル)リジン(以下ε-γ-GLと略す)結合分解酵素(系)の検索を行った。 動物の各種臓器、微生物菌体及び市販酵素について検討した結果、豚腎ホモジネート及びナイロンオリゴマー資化性バクテリアFlavobacterium属KI-72にε-γ-GL結合分解活性が認められた。それぞれについて、ε-γ-GLからの反応生成物を調べた結果、豚腎の酵素は特異性既知のγ-グルタミルアミンシクロトランスフェラーゼであるが、Flavobacterium酵素はε-γ-GLをリジンとグルタミン酸に加水分解する、全く新しい酵素(系)であることが判明した。 このFlavofacterium酵素を約31倍に部分精製し、その酵素的諸性質を調べた。本酵素の分子量は約14万、合成基質ε-γ-GLに対する反応の至適pHは7.5前後、至適温度は37℃付近にあった。また反応系にATP及びMg【Cl_2】を加えると、反応速度は約2倍に増加した。 部分精製酵素を、分子内にε-γ-GL結合を導入した不溶性フィブリン及びその人工消化物に作用させたところ、タンパク質分子内では約8%、ペプシン消化後は18%、ペプシン-パンクレアチン消化後は38%のε-γ-GL結合を分解することができた。不溶性タンパク質から消化が進み、ある程度のサイズにまで切断されたペプチド形態の基質になるにつれ、順次作用しやすくなるものと考えられる。
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