錐体外路系疾患における各種脳内伝達物質受容体に関する形態学的研究
Project/Area Number |
60217010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鬼頭 昭三 広島大学, 医, 教授 (00010140)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 神経伝達物質受容体 / MPTP / パーキンソン病 / オートラジオグラフィー |
Research Abstract |
錐体外路系の代表的疾患であるパーキンソン病は古くから原因不明の変性疾患とされていたが、1950年代、神経伝達物質の異常が明らかにされたことを契機として現在、非常に注目されている。発症に関与すると推定される線条体,黒質,視床などを含む広範囲な神経回路網の細胞構築とこれらの神経回路網の神経伝達物質の機能について、従来より形態学的あるいは電気生理学的な解析がなされている。我々はこれまで受容体学の立場から神経伝達物質や薬物の受容体の分布局在をin vitroオートラジオグラフィーにより観察してきた。in vitroオートラジオグラフィーは組織中の受容体がどのような性質をもって標識ligandと結合するかを観察することができ、また得られたオートラジオグラムを画像解析することにより限局された部位での変化を定量的に知ることができるという利点がある。我々はこのオートラジオグラフィーを用いて昨年度、パーキンソン病患者剖検脳における【^3H】-lisuride及び【^3H】-QNB結合部位の分布異常を検索し、【^3H】-lisuride結合部位は淡蒼球で増加、小脳で減少していた。【^3H】-QNB結合部位は被殻で増加している結果を得た。本年度は上記所見に加えて、【^3H】-substance Pを用いてオートラジオグラフィーを行ない結合部位が淡蒼球で増加している知見を得た。さらに、黒質緻密層の神経細胞に選択的毒性を示す1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine(MPTP)をサルに静注することによりパーキンソン病モデル動物を作製し、摘出脳について各種神経伝達物質受容体の分布をオートラジオグラフィーにより検索し次の結果を得た。dopamine受容体拮抗薬である【^3H】-spiperone結合部位が線条体で増加していた。ムスカリン性アセチルコリン受容体は、大脳基底核には有意の変化を認めなかったが、三叉神経脊髄路核と思われる部位に【^3H】-QNB結合の増加を認めた。また【^3H】-substance Pについては、パーキンソン病モデル動物に特異的と思われる所見は得られなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)