Project/Area Number |
60217020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
石井 毅 (財)東京都精神医学総合研究所, その他, 研究員 (80090405)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド班 / モノクロナル抗体 |
Research Abstract |
アルツバイマー病の脳に沈着するアミロイド蛋白は小さい顆粒の形(老人班)で沈着しているので、分離・精製が困難であった。そこでわれわれは二つの面からその同定のための実験を行なった。 1.アミロイドの精製 アミロイド蛋白の精製は従来Prasら(1968)の水抽出法が用いられてきた。しかし、アルツハイマー病の脳のアミロイドは水に難溶であり、また同じく難溶性のアルツハイマー原線維変化の蛋白の混入がさけられない。そこで、アミロイドを溶かすため、同じβ-蛋白である絹蛋白を溶かすED酸化銅の溶液を用いたところ、アミロイドを可溶化するに成功し、さらに透析によりED酸化同を取除くことにより、線維蛋白の再合成に成功した。この操作をくり返すことにより、アミロイドの精製を行ない、純度のたかいアミロイド蛋白を得ることができよう。このようにして得られたアミロイド蛋白の瀘紙電気泳動展開により、数種の分子量のポリペプチドを得た。今後、これらのポリペプチドのアミノ酸組成、アミノ酸配列の同定を急いでいる。 2.モノクローナル抗体の作成 老人班アミロイドと特異的に反応するモノクローナル抗体の作成に成功した。この抗体はアミロイド以外の脳組織成分とは反応しない。この抗体を用いて、前記分離ペプチドの一層の精製、抗体との反応性およびペプチドの抗原構造の同定等が可能となった。脳の線維蛋白の化学的精製にはつねに他の線維蛋白、たとえばアミロイド糖製の際にはニューロフィラメントやアルツハイマー原線維変化の蛋白のcontaminationの可能性があり、重大なミスを犯す危険がある。この抗体によりアミロイドにのみ特有の抗原決定基の存在を確認し、このミスを避け得るであろう。また、血液、脊髄液を用いてのアルツハイマー病の診断試薬としての有用性も考えられる。
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