モノクローナル抗体利用による上皮性癌の診断と治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
60218005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 嘉幸 東北大学, 薬, 教授 (90072412)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ヒト膀胱がん / チトクロームP-450 / リポソーム |
Research Abstract |
ヒト腫瘍に対するモノクローナル抗体を作成し、その対応抗原の免疫化学的な性格を明らかにすることにより、これらモノクローナル抗体のヒト腫瘍の診断及び治療への応用を計ることを目的として研究を行ない、以下の成果を得た。 1.手術によってえられたヒト膀胱癌組織を抗原としてマウスまたはラットを免疫し、モノクローナル抗体を作成した。作成されたモノクローナル抗体のうちマウス型のPM-d抗体は検索した範囲で、膀胱癌組織と強く反応し正常組織とは反応しないこと、膀胱癌への反応性は従来のモノクローナル抗体に比べて高いこと、その対応抗原は糖蛋白であることなどが明らかになった。一方、ラット型のPR-1抗体はヒト尿中の糖鎖抗原と反応した。 定量分析の結果、膀胱癌患者尿中の抗原量は健常人の値の約4倍の高値を示した。 2.モノクローナル抗体を用いての検索により、ラット膀胱上皮細胞中の対応チトクロームP-450は正常膀胱上皮及び発がん剤投与2週目までの上皮には検出されないが、限局性肥厚のみられる4週目では明らかに発現が認められさらにその程度は乳頭腫、癌で増大することが明らかとなり、ある種のチトクロームP-450の発現を指標とすることにより膀胱の前癌変化を検定しうることが示唆された。 3.ヒト脳腫瘍に対し選択的に反応するモノクローナル抗体が作成され脳腫瘍の病理組織診断への有用性が示された。 4.抗癌剤含有-モノクローナル抗体修飾リポソームの製剤化に関する基礎的研究の結果、均一な標品の大量作成法及び保存法が確立された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)