Project/Area Number |
60218028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高月 清 熊本大学, 医, 教授 (80026830)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | 成人T細胞白血病 / ATL / HTLV-【I】 / T3 / T細胞受容体 / T細胞受容体遺伝子 / 遺伝子再構成 / HTLV-【III】 |
Research Abstract |
1.成人T細胞白血病(以下ATL)の多数例について病像解析を行ない従来の分類,急性,慢性,くすぶり型,急性転化,リンパ腫型にあてはめ、種々の臨床データを比較検討した。その結果、キャリアー状態とくすぶり型ATLの境界がなお不明確であることを知った。これはプロウイルスDNA検出の精度の問題もあるが、腫瘍性増殖=モノクローナルという観点に立つとき、良性モノクローナルという状態があるのか、もしあるとすれば臨床経過はどうなるのか、今後の検討課題である。 2.ATL細胞ではT3抗原量が低く、T3と複合体を形成しているT細胞受容体も低下している。一方、Tac抗原、HLA-DR、トランスフェリン受容体など活性化抗原が出現している。OKT3、コンカナバリンA、PMAなどによりこれら抗原はmodulationを受け、T3抗原はやや減少し、Tac抗原は増強する。分離したHTLV-IをATL細胞に加えた実験ではTacは変化しなかった。 3.ATL細胞ではT細胞受容体の遺伝子再構成がおこっていることが30症例全例で証明された。これはCβ1プローブを用いてサザン法で調べたが、ATL以外の末梢性T細胞腫瘍12例でもβ鎖再構成が見られる。ATLに特有な所見を得るには至っていない。 4.ATLの治療についてアデノシン・デアミナーゼ阻害剤【2^1】-デオキシコホルマイシンを5例に試み2例で著効をみた。今後組織的な治験が必要と思われる。 5.HTLV-【I】とHTLV-【III】とはともにアフリカに起原があるといわれる。日本人のHTLV-【I】感染者(ATL騒者とキャリアー)の血清がHTLV-【III】に対する抗体をもっていないことを多数例についてウエスタン法で確認した。
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