Project/Area Number |
60219007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小川 昭二郎 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (20013196)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 燃料電池 / 大環状化合物 / フェナントロリン / 酸素還元触媒 |
Research Abstract |
すでに我々は回転ディスク電極法により、1、10-フェナントロリン2分子を含む共役系大環状化合物、ヘキサアザマクロサイクル(HAMC)の鉄及びコバルト錯体が高い酸素還元触媒活性を示すこと、すなわち低い還元電位、大きな電流値を与えることを見出し、白金にかわる燃料電池用電極触媒として極めて有望であることを見出した。そこでまず、この高い触媒活性を錯体の結晶構造と関連づけるため、配位子及びそのコバルト錯体の結晶解析を行ったところ、いずれも完全平面分子であることがわかり、また分子面間距離はグラファイトと同程度の極めて短いものであり、1、10-フェナントロリン環を含む大環状化合物が特異な分子間力をもつことが予想される。次に環状配位子のπ電子系及び中心空間の大きさを変えることを目的として、ブリッジの窒素を炭素にかえることを検討した。すなわち2.、9-ジクロロ-1、10-フェナントロリンをDMF中α-シアノアセトアミドのカルボアニオンと反応させることにより、1、10-フェナントロリン2分子から成る赤色のジシアノテトラアザマクロサイクルを1段階で得た。これを硫酸中で加熱するとシアノ基が脱離し、HAMCのブリッジNがCHにおきかわった構造である赤色のテトラアザマクロサイクル(TAMC)が得られた。これはHAMCに比べ長波長側に吸収帯をもち、π電子の非局在化が増大することがわかった。現在その金属錯体の合成を進めている。さらにジシアノ-TAMCは有機溶媒に極めて難溶であるが、DMSO中NaHを加えるとジアニオンとなって溶解する。これにヨウ化アルキルを加えることにより共役系が切断されたジアルキルジシアノ-TAMC(無色)が得られた。これを硫酸処理すると脱シアノ化により完全共役系の長鎖アルキル置換TAMC(赤色)を得た。これは有機溶媒に可溶な新しいタイプの芳香族大環状配位子であり、その電極触媒への利用が期待される。
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