Project/Area Number |
60219017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸, 教授 (50027885)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | フルフラール / フラン / テトラヒドロフラン / テトラヒドロピラン / 位置選択的エーテル開裂反応 / アリルシラン / 植物系有機資源 |
Research Abstract |
植物系炭素資源は供給が無限であるという利点を有する一方、種々の有機物の混合体として与えられるという問題点を持っている。フルフラールとその類縁化合物はその中でも効果的な供給プロセスが確立されており、これらを汎用性の高い合成中間体に変換する反応の開発がこの問題の解決法の1つになるであろうと考えた。そこでフルフラールから容易に誘導される各種テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)類の位置選択的環開裂反応を開発し、これらの環状エーテルを有用な直鎖状合成中間体へ変換するプロセスの確立をはかった。 (1)酸塩化物/ヨウ化ナトリウム系を用いる環状エーテルの位置選択的開裂反応-TH【F_1】 THPも含めたエーテルのC-O結合開裂試薬として酸塩化物/ヨウ化ナトリウム系が收率のみならず非対称型エーテルの位置選択的開裂(従来の酸塩化物/ルイス酸系による開裂の位置選択性とは逆に、置換基のない炭素上での開裂が優先して起こる)にも極めて優れていることを見出した。この試薬はアルコールの保護基として優れるメチルエーテルの脱保護反応として効果的に利用できることも数例をもって証明した。 (2)C-C結合生成反応をともなう非対称置換環状エーテル類の位置選択的開裂反応-TH【F_1】 THPを【C_4】,【C_5】炭素源として利用するためには、これらへの炭素鎖導入をともなう位置選択的な環開裂反応を見出す必要がある。我々はアリル型有機ケイ素化合物共存下におけるTi【Cl_4】による環状エーテルの開裂反応が、アリル型炭素鎖導入を伴って位置選択的に高收率で進行することを見出した。また環状エーテルのα位にアルケニル基を予め導入しておくと、【C_6】あるいは【C_7】炭素鎖としての利用に有効であることを明らかにした。さらにアリル型ケイ素以外の炭素系求核試薬についても利用の可能性を明らかにした。
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