Project/Area Number |
60221006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 均 東京大学, 海洋研, 教授 (00033126)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 熱水活動 / 海底温泉 / メタン / ヘリウム / ホットスポット / 中央海嶺 |
Research Abstract |
東大海洋研究所の白鳳丸の研究航海KH85-4において、ハワイ島南東約30Kmに位置するロイヒ海底火山の熱水活動を研究した。ロイヒ海底火山は山頂部(水深約1000m)に約4×5【Km^2】の平坦なカルデラ状陥没地を有する火山であって、ハワイ大学のA.マラホフ等の研究により、熱水活動の存在が予想される。我々は次の研究をおこなった。 (1)ロイヒ海山山頂部の温度異常の有無をCTD(塩分、温度、水深測定装置)の曳航により調査する。 (2)山頂部周辺の海水を系統的に採取し、熱水活動の指標である各種重金属、メタン、ヘリウムの存在量を調査する。 (3)熱水活動の存在が予測される地域をドレッジし、熱水堆積物の採取深海カメラによる存在状態の探査をおこなう。 この結果、カルデラ壁上の4ヶ所において最大0.08℃の水温異常を検出すると共に、ほとんど同一水深の海水中に鉄、マンガン、ニッケル、コバルトが通常の海水より最大3桁も多く含まれることを発見した。これらの水塊は【^3He】/【^4He】比の高いヘリウムとメタンに富み、明らかに熱水活動により海水中に放出されたものであることが明らかである。 ロイヒ海山の熱水活動は中央海嶺のそれに比してヘリウム、二酸化炭素などの揮発性成分の放出量が1〜2桁も高い。二酸化炭素の放出により山頂部周辺の海水はpHが通常の海水より最高0.5も低いことが認められた。また鉄/マンガン比は中央海嶺の熱水系より著しく高く、ロイヒ温泉は本邦でよく認められる鉄質炭酸泉と定義されるものに類似していると考えられる。これらの特微はロイヒ火山がいわゆる"ホットスポット"の火山であることと調和的である。
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