Project/Area Number |
60221015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三浦 保範 山口大学, 理, 助手 (10034729)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 塩素含有ジャモン石族鉱物 / リザダイトの格子像 / 塩素X線強度カラマッピング / 塩素の分布状態 / 陽イオン比によるジャモン石の分類 / ジャモン石相の反応プロセス / 隕石中の含水珪酸塩相 / 多形 |
Research Abstract |
地下ボーリングコアと露頭試料で部分的にジャモン石化したダンカンラン岩試料中の塩素含有ジャモン石相を含む薄片試料をシンプリメット(設置)で作成した。 それらについて、偏光顕微鏡(設置)で低倍から高倍までの全視野的組織観察と分析領域を決めて、ジャモン石相のEPMAによる定量分析と格子像等による構造の解析をした。 塩素の分布位置は、約2万点のX線強度のカラーマッピング写真の作成により、塩素がカンラン石の周辺に存在することが広範囲に裏付けられた。 格子像とEDXによる同時分析データから、塩素は細粒状ジャモン石相に多く濃縮され、殆んどの塩素は約百Åスケールのリザダイト結晶領域に存在し、ごく微量に円筒状のクリソタイル結晶にも存在することが分った。 塩素のジャモン石相内での分布状態は、格子像からの検討により、リザダイト結晶粒間や構造中のOH位置の置換そして積層欠陥領域に介在する3つの可能性が裏付けられたが、格子像写真の広い領域を占めるリザダイト結晶粒間に多く介在している可能性が高い。 約2百個のEPMA定量分析データ、格子像と偏光写真像との関係から、ジャモン石相は8面体(M)と4面体(Si)陽イオンの比(M/Si)からリザダイト(M/Si=1.70〜1.90)、クリソタイル(1.52〜1.70)とアンチゴライト(〜1.52)に分けられることが導き出された。 この陽イオン比からもカンラン石(1.95〜2.05)に近いのがリザダイトでカンラン石が変質する初期の塩素含有鉱物相であることが裏付けられた。 これは、従来ジャモン石が同組成の多形であることと違って、組成と共に結晶構造配列も異ってくることを示している。Si-Mg-Fe三角図で形成プロセスを考察すると、カンラン石→塩素リザダイト→(塩素)クリソタイル→アンチゴライトに変質と共に進むことが分った。 炭素質隕石中の含水珪酸塩相にもこの方法を応用して、2種の試料での結晶相の分類できることを示した。
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