シンクロトロン放射利用の新しいX線回折法による混晶半導体の構造評価
Project/Area Number |
60222009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊田 惺志 東京大学, 工, 助教授 (00010934)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | シンクロトロン放射 / X線回折法 / X線定在波法 / X線ロッキングカーブ法 / X線表面反射法 |
Research Abstract |
本研究は混晶半導体の結晶構造、界面構造、超格子構造などを新しい各種のX線回折法によって解析することを目的としている。X線回折法としてX線定在波法、X線ロッキングカーブ法とX線表面反射法を試みた。X線強度が必要な実験はシンクロトロン放射を用いた。 X線定在波法は、X線が完全に近い結晶で回折を起こしているときに結晶中に形成される定在波を利用して結晶表面付近の構造を決める方法であって、着目する原子から放出される蛍光X線の收量の入射角依存性を用いる。この方法で界面構造をNi【Si_2】/Si(111)についてはじめて解析することができたので、InP(100)面上にLPE法によりエピタキシャル成長させたInGaAsP混晶に応用した。平行配置の二結晶法を用い、InP基板結晶の200反射と400反射のブラッグ角近傍で混晶薄膜から放出されるAs【K_α】蛍光X線とGa【K_α】蛍光X線の收量を測定した。これから【III】族原子とV族原子のスタッキングが界面層を通して正常に連続していることが直接的に観測された。 二結晶法の平行配置でロッキングカーブ法によりGaAs-AlAs超格子の構造の成長条件による変化を調べた。基板結晶からの反射と超格子の0次反射の角度差が超格子の平均的な格子定数を与える。RHEEDの鏡面反射強度で制御して作成された【(GaAs)_(5.5)】【(AlAs)_5】で、GaAs層を成長させたのち、時間をおいてから次の層を成長させると、界面の構造に再配列が生じて、時間をおかないときよりも平均的な格子定数が大きくなることが観測された。【(GaAs)_5】【(AlAs)_5】ではこのような効果はみられなかった。 結晶表面の最上層の構造は、X線回折法でも結晶表面にすれすれに入射する鏡面反射によってX線の侵入深さを小さくして解析されるが、本研究では結晶を薄くすれば、広角入射で解析が可能であることを実験的に示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)