Project/Area Number |
60222017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舛本 泰章 東京大学, 物性研, 助手 (60111580)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 混晶 / 超格子 / 量子井戸 / 励起子 / ピコ秒分光 / 光双安定性 / 吸収飽和 |
Research Abstract |
本年度は、Gax【Al_(1-x)】As-AlAs超格子中の励起子を対象として、ピコ秒分光法による緩和過程の研究および、光双安定性の基礎となる吸収飽和特性の研究を行なった。 X=0.12およびX=0.2の混晶量子井戸をもつGax【Al_(1-x)】As-AlAs超格子については、励起子発光のピコ秒時間分解の実験に基づき、励起子の緩和過程を研究した。 この研究により、励起子のエネルギー緩和速度は、励起子の状態密度スペクトルに依存している事が明らかになった。 GaAs-AlAs超格子を対象とし、井戸厚を系統的に変化させて行なった実験結果と併せて検討する事により、この特異なエネルギー緩和過程は、超格子中のヘテロ接合界面のゆらぎに局在した励起子が、フォノンを放出しながら、局在状態から別の局在状態へ、状態密度スペクトルの裾の状態間を遷移するというモデルにより説明できる事が明らかになった。 Xが0.3を越える混晶量子井戸Gax【Al_(1-x)】As-AlAsの場合には、低温(4.2K)で最低エネルギーの励起子が発光せず、更に低エネルギーのDeep状態への緩和が支配的であった。 この現象が、試料の質に依存した現象なのかあるいは、X【〜!=】0.2〜0.3を境として組成の変化が急激にひきおこす本質的な現象なのかは、更に検討を要す。 励起子の吸収飽和特性は、Gax【Al_(1-x)】As-AlAsおよびGaAs-AlAs超格子試料につき研究し、量子井戸の厚みに強く依存した興味深い吸収飽和特性を見出した。 即ち、井戸厚の薄い試料では、吸収飽和は選択的に吸収帯の低エネルギー領域でおこるが、井戸厚の厚い試料では、吸収飽和は、励起子吸収帯全域にわたって一様におこる。 励起子吸収帯の拡がりは、ヘテロ接合界面のゆらぎに寄因するが、ゆらぎが大きいと、励起子の局在化をひきおこし、緩和とあいまって低エネルギー領域に励起子が集積されるとすると、実験事実は説明できる。
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