Project/Area Number |
60226017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森元 克士 熊本大学 (70040251)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 交感神経節細胞 / エンケファリン / ナトリウムポンプ / 上頚神経節 / モルモット |
Research Abstract |
モルモットの摘出上頚神経節に微小電極を刺入し、メチオニンエンケファリンの効果を調べた。メチオニンエンケファリン(20μM)は、KClに対する節細胞の応答を平均70%増大させた。この効果は直前に作用させた等量のナロキサンで抑制された。また、神経節遮断薬であるアトロピンやヘキサメソニウム及び高濃度のアセチルコリンによる脱感作時においても見られることから、節細胞に対するエンケファリンの直接作用であろうと考えられた。一方、エンケファリンは節細胞の膜電位や膜低抗をほとんど変えないが、活動電位の後電位を増強する傾向が観察されたので、これの逆転電位を調べると、エンケファリンは逆転電位を約10mV過分極側へ移動させることがわかった。また、この作用は外液中に含まれるKイオン濃度が低いほど大きい傾向を示した。節細胞では後電位の逆転電位はKイオンの平衡電位とほぼ等しいことが分かっているので、これは何等らの機作によって細胞内Kイオン濃度が増大した結果であると考えられる。この効果がNa-Kポンプ活性化の機構によると仮定すると、この作用は細胞内Naイオン濃度の増大によって増強され、外液中にポンプの阻害剤であるウワバインを作用させると抑制されるはずである。そこで、細胞内にNaイオンを負荷した状態でエンケファリンを作用させると、後電位は著明に増大するとともに、正常標本ではみられなかったエンケファリンによる節細胞膜電位の過分極応答が観察された。尚、この際の膜抵抗は少し増大するか、不変であった。しかし、ウワバインの効果は標本によりまちまちであり、この効果がポンプ活性化によると最終的に結論づけるまでにはいたらなかった。今後はエンケファリンによるKイオンの選択的透過性の増大の可能性も考慮し、Kイオンチャネルの阻害剤の効果や細胞内Kイオン及びNaイオンの動態を調べようと計画を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)